DENONのPerL Pro、気になりますよね。ただ、購入を考えるとき、その魅力的な特徴や空間オーディオの性能だけでなく、実際のレビュー評価も知りたいところだと思います。
価格がなぜ安いのか、壊れやすいという噂は本当か、もし充電できないトラブルが起きたらどうするのか。ペアリングの方法や公式の説明書の場所、手厚い保証期間についても気になるところかもしれません。
また、後継機の情報や、自分の耳に合わない可能性まで、考えることはたくさんありますよね。この記事では、そんなあなたの疑問に一つひとつ答えていこうと思います。
- PerL Pro独自の機能とパーソナライズされた音質の詳細
- 価格設定の背景や製品保証に関する正確な情報
- 購入前に確認しておきたい注意点や考えられるデメリット
- ペアリングや充電などトラブル発生時の具体的な対処法
DENON PerL Proの主な仕様と特徴

- オーダーメイドサウンドという特徴
- 立体的な空間オーディオの品質
- 簡単なペアリング方法について
- 後継機や旧モデルとの違いは?
- 高機能なのになぜ安いのか考察
オーダーメイドサウンドという特徴

DENON PerL Proが他の多くのイヤホンと一線を画す、最も核心的な部分。それは、あなただけの耳に合わせて音を最適化する「オーダーメイドサウンド」という特徴だと思います。
多くの高機能イヤホンにはイコライザーが搭載されていますが、あれはあくまで手動で音のバランスを調整するものです。一方、PerL Proに搭載されているMasimo AAT™(Adaptive Acoustic Technology)は、あなたの耳が実際にどのように音を聴いているかを科学的に測定し、全自動で最適なサウンドプロファイルを作成してくれます。
なぜ、音の最適化が必要なのか
そもそも、人の聴力は一人ひとり全く異なります。年齢や生活環境によって、特定の周波数が聞こえにくくなっていることは珍しくありません。例えば、高音域が少し聞こえにくい人が一般的なイヤホンを使うと、シンバルのきらびやかさや、弦楽器の伸びやかさが本来よりも失われて聴こえてしまうかもしれません。
Masimo AAT™は、このような個人差を埋めるための技術です。具体的には、医療分野で新生児の聴覚スクリーニングにも利用される「音響放射(OAE)」という現象を応用しています。イヤホンからテスト音を再生し、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官から返ってくる、ごく微弱な反響音をマイクで測定します。この反響音を分析すれば、どの周波数の音に対してあなたの耳が敏感で、どの周波数に鈍感なのかが客観的に分かる、という仕組みですね。
専用アプリでの測定プロセス
この測定は、専用の「Denon Headphones」アプリを通じて、誰でも簡単に行うことができます。
- まず、周囲ができるだけ静かな環境を確保します。
- アプリの指示に従い、測定を開始します。
- 1分ほど、様々な高さのテスト音が再生されます。あなたはただリラックスして、普通に音を聴いているだけで大丈夫です。
- 測定が完了すると、あなたの聴覚の感度を示した、パーソナルな音響プロファイルが視覚的に表示されます。
このプロセスで作成されたプロファイルはイヤホン本体に保存されるため、一度設定してしまえば、スマートフォンだけでなくパソコンや音楽プレーヤーなど、どの機器に接続しても最適化されたサウンドを楽しむことができるのは、大きなメリットだと思います。
最適化されたサウンドの印象
この機能を有効にすると、音楽の聴こえ方が劇的に変わると感じるかもしれません。
よくある感想としては、最適化をオフにすると音が全体的にぼんやりと、あるいは平面的に聴こえるのに対し、オンにした途端、一つひとつの楽器の輪郭が明確になり、ボーカルがすぐそこで歌っているかのような生々しさが生まれる、というものです。
これは単に特定の音域を強調するのではなく、あなたが聞こえにくかった音域の情報を補うことで、制作者が意図した本来の音のバランスを、あなたの耳に合わせて再現してくれるからです。言ってしまえば、視力に合ったメガネをかけるように、聴覚に合ったサウンドを手に入れられる、ということかもしれません。ただ、長年特定の音質に慣れ親しんだ耳には、初めはこの「正しい音」が少し奇妙に感じられる可能性はあります。
このように、DENON PerL Proのオーダーメイドサウンド機能は、単なる付加機能ではなく、音楽体験の質を根本から向上させるための、非常に重要な要素であると考えられます。
立体的な空間オーディオの品質
DENON PerL Proは、音のパーソナライズ機能に加えて、もう一つ大きな魅力を持っています。それが、臨場感あふれる「空間オーディオ」です。
一般的なイヤホンで音楽を聴くと、音が頭の真ん中で鳴っているように感じられる「頭内定位」という現象が起きがちです。これは、左右の耳に直接音を届けるイヤホン特有の聴こえ方で、少し不自然に感じたり、長時間聴いていると疲れてしまったりする原因になるかもしれません。
PerL Proは、この頭内定位を解消し、まるで良質なステレオスピーカーで聴いているかのような、自然で広がりのある音場を作り出してくれます。
Dirac Virtuo™技術の仕組み
この立体的な音響体験を実現しているのが、スウェーデンの音響技術企業Dirac社が開発した「Dirac Virtuo™」という技術です。
この技術のすごいところは、Dolby Atmosのような特殊な音源を必要としない点だと思います。あなたが普段聴いているCDやストリーミングサービスの一般的なステレオ音源を、リアルタイムで解析し、空間的な情報を持ったサウンドに変換してくれます。
具体的には、実際の部屋でスピーカーから出る音が、壁や天井に反響したり、左右の耳に回り込んで届いたりするのを、高度なデジタル信号処理で再現しています。これにより、音が頭の外、あなたの前方に定位し、広々としたサウンドステージが生まれる、というわけです。
どのような場面で効果を感じやすいか
この空間オーディオ機能は、様々なコンテンツでその真価を発揮するかもしれません。
- 音楽鑑賞
- 普段聴いている楽曲でも、ボーカルが中央に、ギターが少し右に、ドラムがその後ろに、といったように、各楽器の位置関係がより明確に感じられるようになると思います。これにより、音楽への没入感が一層深まるだけでなく、聴き疲れも軽減される効果が期待できますね。
- 映画や動画コンテンツ
- 映画やライブ映像では、特に効果を実感しやすいです。例えば、画面の右から左へ車が走り去るシーンでは、音が実際に目の前を移動していくかのように聴こえます。効果音や環境音が自分の周りを包み込むような感覚は、ポータブルなイヤホンで体験しているとは思えないほどかもしれません。
- ゲームプレイ
- ゲームの世界でも、この機能は有利に働く可能性があります。敵の足音や銃声がどの方向から聴こえるかがより正確に把握できるため、臨場感が増すだけでなく、プレイの精度向上にも繋がるかもしれません。
注意しておきたい点
ただ、この機能にもいくつか知っておきたい点があります。
一つは、音の好みは人それぞれだということです。音源を加工することなく、制作者が作ったステレオミックスをそのまま聴きたい、というオーディオファンの方もいるでしょう。もちろん、この空間オーディオ機能はアプリで簡単にオン・オフを切り替えられるので、気分やコンテンツに合わせて使い分けるのが良いと思います。
また、この機能は元となる音源の品質に影響を受けやすいです。元々質の高い録音の音源であれば素晴らしい効果を発揮しますが、圧縮率の高い音源や、古い録音などでは、効果が薄く感じられたり、少し不自然に聴こえたりする可能性も考えられます。
このように、DENON PerL Proの空間オーディオは、音楽の楽しみ方の選択肢を広げてくれる、非常に魅力的な機能です。オーダーメイドサウンドと組み合わせることで、かつてないほどのパーソナルな没入体験を提供してくれるかもしれません。
簡単なペアリング方法について

DENON PerL Proのペアリング方法は、とてもシンプルだと思います。
基本的には、充電ケースの蓋を開けるとイヤホンが自動的にペアリングモードに入ります。あとは、スマートフォンやパソコンのBluetooth設定画面で「Denon PerL Pro」を選んで接続するだけです。一度接続してしまえば、次からはケースから取り出すだけで自動的に再接続してくれるので、手間がかからないのは良い点ですね。
公式ドキュメント:https://manuals.denon.com/AHC15PL/ALL/JA/WBSPSYrrndtsqa.php
マルチポイント接続にも対応
また、同時に2台のデバイスと接続できる「マルチポイント」にも対応しています。
例えば、パソコンで音楽を聴いている最中に、スマートフォンに電話がかかってきても、イヤホンを付け替えることなくシームレスに通話に切り替えることができます。リモートワークなどで複数のデバイスを使い分ける方にとっては、かなり便利な機能かもしれません。
接続の安定性も高く、音が途切れたりすることは少ないというレビューが多いようです。ただ、多くのBluetooth機器が飛び交うような環境では、まれに接続が不安定になる可能性は考えられます。
後継機や旧モデルとの違いは?
DENON PerL Proについて調べると、NuraTrue Proというイヤホンとの関係が気になるかもしれません。
実は、デノンはNuraという音響技術の会社を買収しました。そして、NuraTrue Proが持っていた自動パーソナライズ技術などを引き継ぎ、デノンの音響技術と融合させて誕生したのが、このPerL Proです。言ってしまえば、技術的なベースは同じで、デノンブランドとして磨き上げられたモデル、と考えると分かりやすいかもしれませんね。
一方、公式な後継機については、現在のところ発表されていないようです。このモデル自体が比較的新しい製品であり、搭載されている技術も最先端のものです。そのため、すぐに新しいモデルが出る可能性は低いと考えるのが自然かもしれません。
もし、旧モデルや他の製品と比較検討する場合は、この「Masimo AAT™」による自動音質最適化機能があるかどうか、という点が大きな判断基準になりそうです。
高機能なのになぜ安いのか考察

これだけの機能を搭載していながら、価格が比較的抑えられているのはなぜか、疑問に思うかもしれません。
これにはいくつかの理由が考えられると思います。一つは、前述の通り、Nura社が開発した既存の技術をベースにしているため、全くのゼロから開発するコストを抑えられた可能性があることです。
また、デノンというブランドが持つ生産体制や販売網を活かすことで、コストパフォーマンスの高い製品を提供できているのかもしれません。大量生産によるコストダウンは、オーディオ製品に限らず多くの工業製品で見られることですね。
他の競合製品と比較してみると、その価格設定の意図が見えてくるかもしれません。
製品名 | 主な特徴 | 参考価格帯 |
DENON PerL Pro | 音質パーソナライズ、空間オーディオ | 中価格帯 |
Apple AirPods Pro 2 | アクティブNC、空間オーディオ | 中~高価格帯 |
Sony WF-1000XM5 | 業界最高クラスNC、ハイレゾ対応 | 高価格帯 |
このように、独自の強みである「音質パーソナライズ」を武器に、強力なライバルがひしめく市場で、戦略的な価格設定をしていると考えることができそうです。
購入前に知りたいDENON PerL Proの注意点

- 壊れやすいという口コミは本当?
- 片耳が充電できない時の対処法
- 耳に合わない場合のフィット調整
- 修理や交換のための保証期間
- 困った時に見るべき公式説明書
- 総評レビュー:DENON PerL Proは買いか
壊れやすいという口コミは本当?

「DENON PerL Proは壊れやすい」という声が一部で見られることがあるようです。
実際、インターネット上のレビューなどを見てみると、接続が不安定になったり、充電ができなくなったりといった報告が少数ながら存在します。ただ、これはPerL Proに限った話ではなく、精密な電子機器である完全ワイヤレスイヤホン全般に言えることかもしれません。
多くの製品が販売される中で、一定数の初期不良や故障が発生するのは、ある程度避けられない側面もあります。重要なのは、そのような声があることを認識しつつ、どれくらいの頻度で発生しているのか、そして万が一の際にどのようなサポートが受けられるのかを把握しておくことだと思います。
もちろん、大多数のユーザーは問題なく使用しているようです。しかし、乱暴に扱ったり、水に濡らしたりすれば故障のリスクは高まります。イヤホン本体はIPX4相当の防滴性能を持っていますが、これはあくまで「いかなる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響を受けない」というレベルなので、過信は禁物かもしれません。
片耳が充電できない時の対処法

もし、片方のイヤホンだけ充電できないというトラブルに見舞われたら、いくつか試せることがあります。
まず考えられるのは、イヤホン本体や充電ケースの充電端子が汚れている可能性です。綿棒などで優しく拭き取り、接触不良が起きていないか確認してみてください。皮脂や小さなゴミが付着していることは、意外と多いようです。
それでも改善しない場合
次に試したいのが、イヤホンのリセットです。リセットはケースではなくイヤホン本体で実施します。左右のタッチセンサーを同時に約10秒間長押しするとデバイスリセットが行えます。完全初期化(工場出荷状態)はDenon Headphonesアプリの設定から実行してください。
また、充電ケース自体のバッテリーが空になっている可能性も考えられます。ケースを十分に充電した上で、再度イヤホンをセットしてみてください。これらの基本的な対処法を試しても改善しない場合は、初期不良や故障の可能性が考えられるため、購入店やデノンのサポートセンターに相談するのが良いでしょう。
耳に合わない場合のフィット調整
イヤホンは、耳にしっかりフィットしていないと本来の性能を発揮できません。特にDENON PerL Proは低音の質やノイズキャンセリング性能に影響するため、フィット感はとても大切です。
もし、耳に合わないと感じた場合は、付属しているイヤーピースやイヤーフィン(ウィング)を交換してみてください。PerL Proには、複数のサイズが同梱されているはずです。
- イヤーピース
- シリコン製のものがサイズ違いで複数付属します。自分の耳の穴に合った、圧迫感がなく、かつ密閉感のあるサイズを選ぶのがコツです。
- イヤーフィン
- 耳のくぼみに固定するためのパーツです。これもサイズがいくつかあるので、自分の耳の形に沿って安定するものを探してみてください。
いろいろな組み合わせを試して、首を振ってもずれない、長時間着けていても痛くならない、最適なフィット感を見つけることが、このイヤホンを快適に使うための鍵となります。少し面倒に感じるかもしれませんが、最初に行うべき重要なステップだと思います。
修理や交換のための保証期間
安心して製品を使う上で、保証期間は気になるポイントですよね。
DENON PerL Proのメーカー保証期間は、日本国内正規品では購入日から1年間です。地域によっては異なる場合(例:北米で2年保証表記あり)もあるため、購入地域の条件を確認する必要があります。この期間内に、取扱説明書などに従った正常な使用状態で故障した場合は、無償で修理や交換の対応をしてもらえるようです。
保証を受けるためには、購入日を証明できるもの(レシートや納品書など)が必要になるので、大切に保管しておくことをおすすめします。保証期間が過ぎてしまった場合でも、有償での修理を受けられることがあります。
ただ、落下や水没など、使用者側の過失による故障は保証の対象外となることがほとんどです。このため、日頃から丁寧に取り扱うことが、長く使い続けるためには大切になってくると考えられます。
困った時に見るべき公式説明書
ペアリング方法が分からなくなったり、操作に迷ったりしたとき、最も頼りになるのが公式の説明書です。
製品に同梱されているのは簡単なクイックスタートガイドですが、デノンの公式サイトには、より詳細な情報を記載したオンラインマニュアルが用意されています。PDF形式でダウンロードできることが多いので、スマートフォンなどに保存しておくと、いつでも確認できて便利かもしれません。
オンラインマニュアルには、基本的な使い方から、アプリの各機能の詳細、トラブルシューティングまで、幅広く網羅されています。何か問題が発生したときは、まずここに解決策が書かれていないか確認するのが、解決への一番の近道だと思います。サポートセンターに問い合わせる前に、一度目を通しておくと、スムーズに問題が解決することもあるでしょう。
公式ドキュメント:https://manuals.denon.com/AHC15PL/ALL/JA/index.php
総評レビュー:DENON PerL Proは買いか

ここまでDENON PerL Proの様々な側面を見てきました。最後に、この記事の要点をまとめてみますね。
- 最大の特徴はMasimo AAT™による音質の自動パーソナライズ機能
- 個人の聴覚特性に合わせてサウンドを最適化してくれる
- Dirac Virtuo™による広がりのある空間オーディオも魅力
- 映画やライブ映像で高い没入感が得られる可能性がある
- ペアリングは簡単でマルチポイント接続にも対応
- 2台のデバイスをシームレスに切り替えられるのは便利
- 技術的にはNuraTrue Proをデノンが昇華させたモデル
- 現時点で公式な後継機の発表はない
- 既存技術の活用などでコストパフォーマンスを高めていると考えられる
- 「壊れやすい」という声は少数だが精密機器としての注意は必要
- 充電できない時はまず端子の清掃やリセットを試す
- フィット感は非常に重要でイヤーピースの調整が鍵となる
- サイズ違いのイヤーピースとイヤーフィンが複数同梱されている
- メーカーの保証期間は購入から1年間
- 保証を受けるには購入証明書の保管が大切
- 困ったときは公式サイトのオンライン説明書が最も頼りになる
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