究極の所有感!Bowers & Wilkins Px8 S2レビュー|静寂より音質を選ぶ大人の選択

究極の所有感!Bowers & Wilkins Px8 S2レビュー|静寂より音質を選ぶ大人の選択

こんにちは、「はじめての高級オーディオ」の管理人です。ついに登場したBowers & Wilkins(バウワース・アンド・ウィルキンス)の最新フラッグシップモデル、Px8 S2が気になって仕方がないという方も多いのではないでしょうか。前作からの大幅な価格改定もあり、約11万円を超える価格に見合うだけの価値があるのか、あるいは評判の高いソニーやBoseの最新モデルを選ぶべきなのか、購入ボタンを押す前に悩んでしまいますよね。今回は、そんな皆さんの疑問を解消するために、Px8 S2の音質や装着感、そして所有する喜びについて、私なりの視点でじっくりと解説していきたいと思います。

この記事でわかること
  • Bowers & Wilkins Px8 S2の音質が前作からどう進化したのか
  • ソニーWH-1000XM6などのライバル機と比較した際の違い
  • 所有欲を満たす高級感あふれるデザインと素材の魅力
  • 購入前に知っておくべき注意点やアプリの使い勝手
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目次

Bowers & Wilkins Px8 S2の進化と違い

https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/over-ear-headphones/px8-s2/FP45365P.html

ここでは、ついに市場に投入された待望の後継機、Bowers & Wilkins Px8 S2の基本的なスペックや、前作から具体的に何が変わったのかについて深掘りしていきます。単なるマイナーチェンジにとどまらない、ブランドの本気度が詰まった進化のポイントを見ていきましょう。

Px8 S2の発売日と価格設定の背景

海外での発表・発売日は2025年9月24日となっており、国内でも概ね9月下旬から各販売店での取り扱いが開始されています。気になる価格ですが、グローバル市場で799ドル、日本では為替の影響もあり、e☆イヤホン価格で11万6820円という設定になっています。(2025年12月12日〜12月21日まで11,000円オフの¥105,820で購入可能です!)正直なところ、ワイヤレスヘッドホンにこの値段はさすがだなぁという感想です。

前作からも価格が上昇しています。eイヤホンなどの主要専門店における実売価格を比較すると、前作Px8の発売当初や直近の相場に比べて、約4万円近いアップとなっています。一般的なワイヤレスヘッドホンの相場からすれば、明らかに飛び抜けた価格帯に位置しており、購入には相当な勇気が必要です。

なぜこれほど高価になったのか

しかし、冷静になって市場を見渡してみると、この強気な価格設定にも一定の背景が見えてきます。一般論として、昨今の原材料費の高騰や世界的な物流コストの上昇が製品価格に影響を与えている可能性は十分に考えられます。アルミニウムや高品質なレザーといった素材の調達コストは年々変動しており、妥協のないモノづくりを続けるためには、ある程度の価格改定は避けられなかったのかもしれません。

【豆知識】進化するワイヤレス市場

かつてワイヤレスヘッドホンは「便利だけど音はそれなり」という妥協の産物でした。しかし、Px8 S2のようなハイエンド機の登場により、今や有線接続の高級機とも十分に渡り合える「本気のオーディオ機器」へと進化を遂げています。

さらに重要なのは、Bowers & Wilkinsが目指しているポジションです。2025年はソニーのWH-1000XM6やBoseのQuietComfort Ultra Headphones (Gen 2)といった強力なライバル機が登場し、市場はまさにレッドオーシャンと化しています。これら競合他社が「機能性」や「静寂性(ANC)」を武器にシェアを争う中で、B&Wはあえて別の土俵を選びました。それは「感性価値」への訴求です。単に音楽を聴くだけのデバイスなら数万円で十分かもしれません。しかし、Px8 S2は、高級時計やヴィンテージ家具のように、所有すること自体がステータスとなり、触れるたびに心が躍るような「ラグジュアリー・プロダクト」としての立ち位置を確立しようとしています。

旧作Px8とS2の決定的な違い

「見た目は前作とそっくりだけど、中身は本当に変わったの?」これは誰もが抱く疑問でしょう。写真で見比べる限り、デザイン言語は踏襲されており、大きな変化はないように見えます。しかし、実際に聴き比べてみると、その中身は「別物」と言っていいほどドラスティックな進化を遂げていることに気づかされます。

最大の違いは「音のチューニング(方向性)」の変更です。初代Px8は、非常に芳醇でウォーム、そして低音が豊かに広がるサウンドが特徴でした。それはそれで魅力的でしたが、一部の厳格なオーディオファイルからは「低音が強すぎて中高域がマスクされている」「少しブーミーだ」という指摘があったのも事実です。ジャズやクラシックの濃厚な表現には合っていましたが、現代的なポップスやスピード感のあるロックでは、少し重たく感じる場面もありました。

リファレンス・サウンドへの転換

今回のPx8 S2では、そうしたフィードバックを真摯に受け止め、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)のアルゴリズムを一から見直しています。目指したのは、Bowers & Wilkinsが本来得意とする「True Sound(真の音)」への回帰、つまり「リファレンス・サウンド」です。

具体的には、低音域の制動(ダンピング)が劇的に向上しています。量感で押すのではなく、タイトでスピード感のある低音に生まれ変わりました。これにより、前作では少し埋もれがちだった中音域、特にボーカルの帯域がクリアに浮かび上がるようになっています。まるで、スピーカーの前にあった薄いカーテンを一枚取り払ったかのような、鮮烈な解像度を体験できるはずです。

S2で進化したサウンドのポイント

  • トランジェント(過渡特性)の向上
    • 音の立ち上がりと立ち下がりが高速化し、リズムの切れ味が良くなりました。
  • 見通しの良いサウンドステージ
    • 低音の曇りが取れたことで、空間の奥行きや楽器の配置がより明確に見えるようになりました。
  • aptX Lossless対応の恩恵
    • 対応スマートフォンとの接続時には、CD品質(16bit/44.1kHz)をロスレスで伝送可能になり、ワイヤレス特有の圧縮感を排除しています。

カーボンコーンが生むPx8 S2の音質

Px8 S2 – オーバーイヤー・ノイズキャンセリング・ヘッドフォン | Bowers & Wilkins – 日本

Px8 S2の圧倒的な音質を物理的に支えているのが、Bowers & Wilkinsの代名詞とも言える「カーボンコーン・ドライブユニット」です。この40mm径のドライバーユニットは、B&Wのスピーカー技術を背景に開発されたものであり、一般的なヘッドホンとは一線を画す構造を持っています。

通常のヘッドホン振動板には、PET(プラスチックの一種)やバイオセルロースといった素材が使われることが多いですが、これらは軽量である反面、激しく振動した際に素材自体がたわんでしまう「分割振動」という現象が起きやすいという弱点があります。この分割振動は、音の濁りや歪みの原因となります。

なぜカーボンなのか?

そこで採用されたのがカーボンファイバーです。カーボンは「非常に軽い」のと同時に「極めて硬い(高剛性)」という、振動板にとって理想的な特性を持っています。Px8 S2のカーボンコーンは、可聴帯域(人間が聞こえる音の範囲)を超える高い周波数まで、ピストン運動のように正確に動くことができます。これにより、歪みを極限まで抑えた、極めてピュアなサウンドが生まれるのです。

アングルド・ドライバーの魔法

さらに、このドライバーはイヤーカップ内で「斜め」に配置されています。これをアングルド・ドライバー配置と呼びます。通常、ヘッドホンは耳の真横から音を出しますが、これだとどうしても「頭の中で音が鳴っている(頭内定位)」という感覚が強くなってしまいます。

Px8 S2では、ドライバーに角度をつけることで、スピーカーで音楽を聴いているときのように「前方から音が届く」状態を擬似的に作り出しています。さらに、耳介(耳たぶ)での反射音も計算に入れることで、密閉型ヘッドホンとは思えないほど自然で広大なサウンドステージを実現しています。目を閉じれば、そこにはコンサートホールが広がっている。そんな錯覚さえ覚えるほどの表現力です。

装着感の改善とデザインの変更点

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どれほど音が良くても、装着感が悪ければ長時間音楽を楽しむことはできません。特にPx8のような重量級のヘッドホンにとって、「快適性」は死活問題です。前作Px8では「少し重い」「側圧が強い」というレビューも散見されましたが、S2ではその点もしっかりと改良されています。

まず重量についてですが、公式仕様では約310g(0.31kg)となっており、ライバルのSony WH-1000XM6(約254g)と比較すると、数字上は確かに重いです。しかし、実際に頭に装着してみると、不思議なことにその「重さ」があまり気になりません。これは、ヘッドバンドの形状が見直され、頭頂部への接地面積が増えたことで、荷重が一点に集中せず全体に分散されるようになったためです。

見た目のスマートさと素材の魔力

また、イヤーカップの厚みがわずかにスリム化されました。これにより、装着時に横への出っ張りが減り、正面から見た時のシルエットが非常にスマートになりました。いわゆる「キノコ頭」になりにくいデザインは、外出先で使用するユーザーにとっては嬉しい進化点でしょう。

そして、何と言ってもPx8 S2を特別な存在にしているのが、その素材です。アーム部分は鋳造アルミニウムで作られており、プラスチックにはない剛性感と、ひんやりとした金属の手触りが楽しめます。スライダーを動かした時の「ヌルっ」とした抵抗感一つとっても、精密機械のような高級感が漂います。

肌に触れるイヤーパッドとヘッドバンドには、高級車のシートなどにも使われる本物の「ナッパレザー」が惜しげもなく使用されています。しっとりと吸い付くような肌触りと、使い込むほどに馴染んでいく経年変化は、合成皮革(ヴィーガンレザー)では決して味わえない魅力です。ただし、本革は湿気や汗にデリケートなので、使用後は乾いた布で拭くなどのケアが必要です。

【注意点】側圧については個人差あり
遮音性と低音の質を確保するため、側圧(挟み込む力)は依然としてやや強めに設定されています。頭のサイズが大きい方や眼鏡をかけている方は、最初のうちは少し窮屈に感じるかもしれません。店舗での試着を強くおすすめします。

Px8 S2のノイズキャンセリング性能

現代のワイヤレスヘッドホンにおいて、アクティブノイズキャンセリング(ANC)は欠かせない機能です。「Px8 S2のノイキャンはどうなの?」という質問に対して、私はいつも正直にこう答えています。「必要十分ですが、最強ではありません」と。

もしあなたが、周囲の音を完全に遮断して「無」の空間を作りたいのであれば、迷わずソニーやBoseの最新モデルを選ぶべきです。しかし、Px8 S2も負けてはいません。本機は合計8つのマイク(通話品質とANCを担うマイクアレイ)を搭載しており、高度な信号処理によってノイズを低減します。飛行機の「ゴーッ」という轟音や、電車の走行音といった低周波ノイズに関しては、驚くほどきれいにカットしてくれます。

Bowers & WilkinsのANC哲学

しかし、人の話し声やカフェの食器の音といった中高域のノイズに関しては、あえて少し残しているような印象を受けます。これは技術力不足というよりも、B&Wの設計哲学によるものでしょう。強力すぎるANCは、時に鼓膜への圧迫感を生んだり、再生される音楽の音質そのものを変化させてしまったりする副作用があります。

Px8 S2は、「音楽の邪魔になるノイズは消すが、音質を犠牲にしてまで静寂を追求しない」というバランス調整が行われています。そのおかげで、ANC特有の「ツーン」とする閉塞感が非常に少なく、長時間オンにしていても疲れにくいというメリットがあります。

また、外音取り込み(パススルー)機能についても触れておく必要があります。S2ではこのモードが非常に自然になりました。マイクで拾った音特有の「機械的な強調感」が減り、ヘッドホンをしたままでも自分の声がこもらず、相手とスムーズに会話ができるレベルに達しています。レジでの会計時などにヘッドホンを外す必要がないのは、地味ですが非常に便利なポイントです。

Bowers & Wilkins Px8 S2の比較と評価

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ここからは、多くの人が購入検討時に迷うであろうライバル機種との比較や、実際に日常生活で使ってみて分かった細かい使い勝手、そして将来的なリセールバリューについて、忖度なしで評価していきます。11万円の投資に見合うかどうか、冷静に判断するための材料にしてください。

ソニーWH-1000XM6との徹底比較

2025年のヘッドホン市場における最大のライバルといえば、間違いなくソニーの「WH-1000XM6」でしょう。機能性とコストパフォーマンスの王者であるソニーと、感性と音質のB&W。どちらを買うべきか、非常に悩ましい問題です。以下の比較表で整理してみましょう。

特徴B&W Px8 S2Sony WH-1000XM6
価格(税込)約116,820円前後ソニーストア価格 59,400円
音質の方向性素材重視:高解像度、ニュートラル、アコースティックな響き演算重視:AI補正による聴きやすさ、パワフルな低音
ビルドクオリティラグジュアリー:本革、アルミニウムアーム、所有欲を満たす重厚感実用主義:再生プラスチック主体、軽量だが高級感は劣る
ANC性能Tier 2:音楽鑑賞に必要な静寂を確保。自然さを優先。Tier 1:世界最高峰。圧倒的な静寂を作り出す。
携帯性フラット収納のみ可。折りたたみヒンジなし。折りたたみ機構あり。コンパクトに収納可能。

(出典:ソニー製品情報 ※XM5ページ参照を前提としたXM6価格情報の比較

あなたに合っているのはどっち?

結論として、この2機種はターゲット層が明確に異なります。Sony WH-1000XM6は、通勤・通学などの移動中に「快適な静寂」を手に入れたい人、ガジェットとしての多機能さを求める人に最適です。ヒンジで小さく折りたためる機構は、バッグの中でかさばらず、毎日の相棒として非常に優秀です。

一方でB&W Px8 S2は、利便性よりも「体験の質」を重視する人に向けた製品です。Px8 S2はイヤーカップを回転させてフラットにすることはできますが、XM6のようにコンパクトに折りたたむ機構(ヒンジによる小型化)は採用されていない可能性が高く、専用ケースも比較的大きめです。しかし、カフェで仕事をする時、あるいは自宅のリビングでリラックスする時、このヘッドホンの質感がもたらす高揚感は格別です。「プラスチックの塊ではなく、本物の道具を使いたい」という美意識を持つ方には、倍近い価格差を払ってでもPx8 S2を選ぶ価値があります。

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限定のマクラーレンモデルとの違い

Px8 S2 McLaren – オーバーイヤー・ノイズキャンセリング・ヘッドフォンのスペシャルエディション | Bowers & Wilkins – 日本

Px8 S2の購入を検討する際、「McLaren Edition(マクラーレン・エディション)」という特別モデルの存在に気づく方もいるでしょう。通常版との違いは何なのか、気になりますよね。

基本的に、通常版とマクラーレン版の違いは「デザイン」と「価格」のみであり、音質や機能、スペックは完全に同一です。マクラーレン・エディションは、英国のスーパーカーブランドであるマクラーレン・オートモーティブとの長年のパートナーシップを記念したモデルです。

デザインのディテール

具体的には、落ち着いた「ガルバニック・グレー」のレザーをベースに、マクラーレンの象徴的なブランドカラーである「パパイヤ・オレンジ」がハイライトとしてイヤーカップ周りやケーブルにあしらわれています。また、ヘッドバンドにはさりげなくマクラーレンのロゴが刻印されています。

価格は通常版よりもさらに高価になり、e☆イヤホン価格で税込¥141,570となっています。(ただしこちらも11,000円オフとなっていますので、購入される方はお早めに。。)

純粋に音質を求めるのであれば通常版で全く問題ありませんが、F1ファンやマクラーレンのオーナー、あるいは「人とは違う特別なカラーリング」に価値を感じる方にとっては、この価格差は許容範囲内かもしれません。リセールバリューの観点でも、限定モデルとしての希少性がプラスに働く可能性があります。

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マルチポイント接続の不具合と対策

非常に完成度の高いPx8 S2ですが、ソフトウェア面で完璧というわけではありません。特に発売直後の現在、一部のユーザーから報告されているのが「マルチポイント接続時の挙動」に関する不安定さです。

マルチポイントとは、例えばiPhoneとWindows PCの2台に同時にBluetooth接続しておき、音の出る方に自動で切り替える機能です。非常に便利な機能なのですが、Px8 S2では、この切り替えのタイミングで音声が一瞬途切れたり、ラグが発生したりするケースが報告されています。ただし、これらは全ての個体で発生するわけではなく、使用環境や接続機器との相性による個体差も大きいようです。

現状での対応

これはハードウェアの欠陥というよりは、Bluetoothチップセットとソフトウェアの連携における課題である可能性が高く、今後のファームウェアアップデートによる改善が期待されます。現時点で困っている方は、以下の対策を試してみてください。

接続不安定時の対策リスト

  • B&W Musicアプリを確認
    • 「接続」メニューから、使用していないデバイスのペアリング履歴を削除する。
  • 優先デバイスを決める
    • どうしても安定しない場合は、一時的にマルチポイント機能をオフにし、1台接続で使用する。
  • ウェアラブルセンサーの調整
    • ヘッドホンを外すと音楽が止まるセンサーの感度設定が誤作動の原因になることがあるため、アプリで感度を「低」にするかオフにする。

アプリで可能な5バンドEQ設定

これは既存のB&Wユーザーにとって最も嬉しい進化点の一つです。初代Px8の発売当初は、アプリで調整できるイコライザー(EQ)が「低音(Bass)」と「高音(Treble)」の2バンドしかありませんでした。これでは細かい音質の調整ができず、オーディオファンからは不満の声が上がっていました。

しかし、Px8 S2および最新バージョンの「Bowers & Wilkins Music」アプリでは、ついに「5バンドEQ」が利用可能になりました。具体的な周波数帯域はアプリの仕様に準拠しますが、特定の帯域を細かくブースト・カットできるようになったことで、音作りの幅が大きく広がっています。

おすすめのEQ活用法

Px8 S2は元々解像度が高いため、録音状態の悪い古い音源や、高域が強調されたJ-POPなどを聴くと、シンバルやサ行の声が少し「刺さる」と感じることがあるかもしれません。そんな時は、高音域側のバーを少し下げてみてください。驚くほど聴きやすくなります。

逆に、もっとボーカルの艶を感じたい場合は、中音域をわずかに持ち上げると、歌い手の息遣いまでリアルに感じられるようになります。自分の好みに合わせて「音を仕立てる」楽しみが増えたことは、長く愛用する上で大きなメリットです。また、アプリ内でAmazon MusicやDeezerなどのストリーミングサービスを統合して操作できる機能も健在で、高音質再生を一元管理できる点も評価できます。

中古市場での価値とリセールバリュー

11万円を超えるヘッドホンを購入するのは、ある意味で「資産」を持つことでもあります。万が一、将来的に手放すことになった場合、どれくらいの価格で売れるのか(リセールバリュー)は気になるところですよね。

一般的に、イヤホンやヘッドホンは衛生商品であるため値崩れしやすいのですが、Bowers & Wilkinsのような老舗オーディオブランドの製品は例外的に価値が落ちにくい傾向にあります。ブランド自体の信頼性が高く、中古市場でも指名買いするファンが常に存在するからです。

長く使える設計が価値を支える

特にPx8 S2は、イヤークッションやヘッドバンドが交換可能な設計となっており(※具体的な交換方式は公式情報を要確認)、耐久性が考慮されています。一番劣化しやすい部分を新品に交換できる設計になっているため、本体さえ綺麗であれば、数年後でも「美品」として高値での取引が期待できます。前作のPx8も、発売から時間が経っても中古相場が高止まりしていました。

「高い買い物だったけど、売るときもそれなりの値段がついたから、実質的なコストはそこまで高くなかった」。将来的にそう思える可能性が高いのも、B&W製品を選ぶ隠れたメリットと言えるでしょう。

Bowers & Wilkins Px8 S2の総評

長くなりましたが、Bowers & Wilkins Px8 S2のレビューをまとめさせていただきます。結論として、このヘッドホンは「コストパフォーマンス」という物差しで測るべき製品ではありません。もしコスパを最優先するなら、ソニーや他のメーカーを選ぶほうが幸せになれるでしょう。

しかし、Px8 S2には数字やスペックには表れない、圧倒的な「ロマン」と「品格」があります。アルミのアームが放つ冷ややかな輝き、ナッパレザーの芳醇な香り、そしてカーボンコーンが奏でる、どこまでも透明でピュアなサウンド。これらは、手にした瞬間にあなたの日常を少しだけ贅沢なものに変えてくれる力を持っています。

「音楽を聴く」という行為を、単なる暇つぶしから「没入する体験」へと昇華させたい。そう願う大人のオーディオファンにとって、Px8 S2への投資は決して無駄にはなりません。家に帰ってこのヘッドホンを手に取り、お気に入りの椅子に深く腰掛けて再生ボタンを押した瞬間、「ああ、これを買ってよかった」と心から思える至福の時間が待っています。

迷っているなら、ぜひ一度試聴してみてください。その音と質感に触れたら、もう後戻りはできないかもしれませんよ。

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この記事を書いた人

オーディオ好きのかんりにん、アラサーです。大学生の時に高級イヤホンの音の良さに衝撃を受け、高級イヤホン沼に足を突っ込みました。
このブログは「いい音で音楽を聴く」ことで得られる幸福をもっといろんな人に知って欲しく立ち上げました。最高の据え置き環境を夢見て、皆さんと一緒に成長していくブログです。

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