「ハイレゾはCDと比べて本当に音が良いのだろうか」「高価な機材を揃えても意味がないのでは?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
期待してハイレゾ再生を試したものの、多くの人がハイレゾの音の違いがわからないと感じており、特にiPhoneや手軽なワイヤレスイヤホン、カーオーディオでハイレゾは意味ないという声も少なくありません。また、Bluetooth接続でハイレゾは意味ないのではという技術的な疑問や、情報量が多いためにハイレゾは疲れるといった意見も存在します。
この記事では、そもそもロスレスとハイレゾの違いは何かという基本から、なぜ違いを感じにくいのかという原因を解明します。さらに、おすすめのハイレゾストリーミングサービスや、ハイレゾの違いがわかる曲、ハイレゾ音源を無料で試す方法まで具体的に解説。高価なハイレゾイヤホンを導入する前に、この記事を読んで、失敗や後悔のないオーディオライフへの第一歩を踏み出しましょう。
- ハイレゾが「意味ない」と感じる具体的な理由
- CD音源やロスレス音源との明確な違い
- スマホやワイヤレス環境でハイレゾを活かす方法
- ハイレゾ音源のポテンシャルを引き出す再生環境の整え方
ハイレゾは意味ないと言われる理由

- そもそもハイレゾとは?
- ロスレスとハイレゾの違いを解説
- ハイレゾの音の違いがわからない原因
- iPhoneでハイレゾは意味ないのか
- ワイヤレス(Bluetooth)でハイレゾは意味ないのか
- ハイレゾは聴き疲れるという意見も
そもそもハイレゾとは?

「ハイレゾ」とは「ハイレゾリューションオーディオ」の略称で、CDを超える情報量を持つ高解像度な音源を指します。音の良し悪しは非常に主観的な要素ですが、ハイレゾは技術的に、より元のアナログ音源に近い形でデジタル化されているのが特徴です。
音をデジタルで記録する際には、「サンプリング周波数」と「量子化ビット数」という2つの主要な指標が用いられます。サンプリング周波数は1秒間に音を何回サンプリング(標本化)するかを示す数値(単位:Hz)で、これが高いほど高音域の再現性が向上します。一方、量子化ビット数は音の大小の幅をどれだけ細かく表現できるかを示す数値(単位:bit)で、これが大きいほどダイナミックレンジが広がり、微細な音のニュアンスまで記録できます。
一般社団法人日本オーディオ協会(JAS)では、これら2つの指標のどちらかがCDスペック(44.1kHz/16bit)を上回るものを「ハイレゾ」と定義しています。多くは96kHz/24bitや192kHz/24bitといったスペックが主流で、CDの約3倍から6.5倍もの情報量を持っていることになります。
この膨大な情報量により、ハイレゾ音源はアーティストの息づかいや楽器の繊細な響き、演奏会場の空気感といった、CDでは失われがちだったディテールまで再現できる可能性を秘めています。
ロスレスとハイレゾの違い

「ロスレス」と「ハイレゾ」は、高音質オーディオの世界でよく使われる言葉ですが、その意味は異なります。これらの違いを理解することが、自分に合った音源を選ぶ第一歩となります。
ロスレス(Lossless)は、日本語で「可逆圧縮」を意味します。これは、音楽データを圧縮する際に音質を全く劣化させない技術のことです。ファイルを小さくしつつも、展開(再生)すれば完全に元のデジタルデータに戻るため、音質は圧縮前と全く同じです。身近な例で言えば、パソコンでファイルをZIP形式で圧縮するのと同じ原理です。
一方で、ハイレゾは前述の通り、CDスペックを超える情報量を持つ「音源そのものの品質」を指す言葉です。
つまり、ロスレスは「圧縮方式」、ハイレゾは「音源の解像度(スペック)」を指す、全く別のカテゴリの言葉なのです。
この関係性を整理すると、以下のようになります。
- CD品質のロスレス
CD(44.1kHz/16bit)のデータを、音質を劣化させずに圧縮したもの。Apple Musicの「ロスレス」がこれにあたります。 - ハイレゾロスレス
ハイレゾ音源(例: 96kHz/24bit)を、音質を劣化させずに圧縮したもの。Apple Musicの「ハイレゾロスレス」やAmazon Music HDの「ULTRA HD」が該当します。
両者の関係性を以下の表にまとめます。
項目 | ロスレス (CD品質) | ハイレゾロスレス |
元データの品質 | CDスペック (44.1kHz/16bit) | CDスペックを超える品質 (例: 96kHz/24bit) |
圧縮方式 | 可逆圧縮 (音質劣化なし) | 可逆圧縮 (音質劣化なし) |
情報量 | CDと同等 | CDの数倍 |
一般的な呼称 | ロスレス、CDクオリティ | ハイレゾ、ハイレゾロスレス、ULTRA HDなど |
このように考えると、CD品質もハイレゾ品質も、どちらも「ロスレス」という形で配信されている場合が多いことが分かります。重要なのは、自分が聴いているロスレス音源が「CD品質」なのか、それとも「ハイレゾ品質」なのかを区別することです。
ハイレゾの音の違いがわからない原因

高い期待を持ってハイレゾ音源を聴いてみたものの、「CDと何が違うのか分からない」と感じる方は少なくありません。これにはいくつかの明確な理由が考えられます。
第一に、再生環境がハイレゾに対応していないケースです。ハイレゾ音源はデータ量が大きいだけでなく、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、音源の入り口から出口まで、すべての機器がハイレゾ再生に対応している必要があります。具体的には、音源ファイル、再生アプリやソフトウェア、DAC(デジタル-アナログ変換器)、アンプ、そしてイヤホンやスピーカーのすべてです。どれか一つでもハイレゾ非対応のものが含まれていると、その部分がボトルネックとなり、結局はCD以下の音質で再生されてしまいます。
第二に、人間の聴覚の限界という側面もあります。サンプリング周波数が示す高音域は、多くが人間の可聴領域(一般的に20kHzまでとされる)を超える音です。このため、「スペック上の違いはあっても、そもそも聴こえない音だから違いが分からない」という意見も存在します。
第三に、音源の元となるマスタリング品質が影響している可能性です。たとえハイレゾフォーマットで配信されていても、元々のレコーディングやマスタリングの質が低ければ、音質の向上は期待できません。古い音源をただハイレゾ形式に変換しただけでは、ノイズが目立ったり、音の粗さが際立ったりすることもあります。
最後に、聴く環境や楽曲との相性も無視できません。騒がしい屋外で聴いたり、元々ダイナミックレンジの狭い楽曲(音の強弱が乏しい曲)を聴いたりしても、ハイレゾの繊細な表現力を感じ取るのは難しいでしょう。静かな環境で、楽器の音色が豊かなアコースティックな曲や、空間表現が巧みなクラシックなどを聴くと、違いが分かりやすいかもしれません。
iPhoneでハイレゾは意味ないのか

「iPhoneでハイレゾは意味ない」という声を耳にすることがありますが、これは半分正しく、半分は誤解です。iPhone単体では、残念ながらハイレゾ音源の真価を発揮させることはできません。
その理由は、iPhoneに内蔵されているDAC(デジタル-アナログ変換器)が、ハイレゾ音源の再生に完全には対応していないためです。Apple Musicなどでハイレゾロスレス音源を再生しても、iPhone本体のイヤホンジャック(旧モデル)やLightning/USB-C端子から直接有線イヤホンに接続した場合、CD品質(最大48kHz/24bit)にダウンコンバートされて出力されます。
では、iPhoneでハイレゾを楽しむのは不可能なのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。
iPhoneでハイレゾ音源をそのスペック通りに聴くためには、ハイレゾ対応の「ポータブルDACアンプ」を別途用意する必要があります。これは、iPhoneのデジタル信号を外部で高品質にアナログ変換するための機器です。
iPhoneでハイレゾを聴くための手順
Lightning端子やUSB-C端子に対応したポータブルDACアンプを準備します。
Apple純正のカメラアダプタなどを介して、iPhoneとDACを接続します。
普段使っている有線イヤホンやヘッドホンをDACに接続します。
Apple MusicやAmazon Music HDなどのアプリでハイレゾ音源を再生します。
この手順を踏むことで、iPhoneをトランスポート(音源データの送り出し役)として活用し、外部DACで高品質なアナログ信号に変換してハイレゾの繊細な音を楽しむことが可能になります。したがって、「iPhone単体では意味がないが、外部DACを使えば意味はある」というのが正確な答えです。


変換コネクタさながらのコンパクトさなのに、音質重視で設計されたCirrus Logic製の高性能DACチップ「CS43131」を採用!
まずは手軽に高音質を試してみたい人はこちらをお勧めします!
ワイヤレス(Bluetooth)でハイレゾは意味ないのか


ワイヤレスイヤホンやヘッドホンの利便性は絶大ですが、「ワイヤレス(Bluetooth)でハイレゾは意味ない」という説は、現在の技術水準を考えると、ほぼその通りと言えます。
Bluetoothで音声を伝送する際には、データを圧縮して送る必要があります。この圧縮技術を「コーデック」と呼びますが、従来のコーデック(SBCやAACなど)では、ハイレゾ音源の膨大なデータ量をそのまま伝送することができず、大幅にデータを間引いてしまいます。結果として、せっかくのハイレゾ音源もCD以下の音質に劣化してしまいます。
近年、「LDAC(エルダック)」や「aptX HD」といった、より多くのデータ量を伝送できる「ハイレゾ対応」を謳う高音質コーデックが登場しました。これらは確かに従来のコーデックよりも高音質ですが、それでもハイレゾ音源を「ありのまま」伝送できるわけではありません。
LDACを例に取ると、最大990kbpsの伝送レートを誇りますが、ハイレゾ音源(96kHz/24bit)の元々のデータレートである4,608kbpsには遠く及びません。つまり、LDACであってもデータの一部を間引く「非可逆圧縮」が行われており、厳密な意味でのハイレゾ伝送(ロスレス伝送)は実現できていないのです。これを「ワイヤレスハイレゾ」と呼ぶこともありますが、有線接続のハイレゾとは根本的に異なる点を理解しておく必要があります。
コーデック | 最大ビットレート | 音質 | 特徴 |
SBC | 約328kbps | 標準的 | ほぼ全ての機器が対応する標準コーデック |
AAC | 約256kbps | SBCより高音質 | iPhoneや多くのAndroid端末で採用 |
aptX HD | 576kbps | CD品質相当 | CD音源を劣化少なく伝送可能 |
LDAC | 990kbps | ハイレゾ相当 | ハイレゾ音源を高品質に伝送できるが非可逆圧縮 |
これらの理由から、音質を最優先し、ハイレゾ音源の持つ情報を100%引き出したいのであれば、現状では有線接続が唯一の選択肢となります。ワイヤレスの手軽さを取るか、有線の最高音質を取るか、利用シーンに応じて選択することが賢明です。
ハイレゾは聴き疲れるという意見も


一部のオーディオファンの間では、「ハイレゾは聴き疲れる」という意見が出ることがあります。これは、ハイレゾの情報量の多さが逆に作用してしまうケースで、いくつかの理由が考えられます。
一つは、音の情報量が多すぎることによる脳の疲れです。CD音源に比べて圧倒的に多くの音情報が耳から入ってくるため、無意識のうちに脳がすべての情報を処理しようとしてしまい、結果的に疲労感につながることがあります。特に、普段聴き慣れていない情報量の多いサウンドに長時間触れると、心地よさよりも疲れが勝ってしまうかもしれません。
また、ハイレゾの解像度の高さが、音源の粗(あら)を浮き彫りにしてしまうことも一因です。レコーディングやマスタリングの段階で意図しないノイズや歪みがあった場合、CD品質ではマスキングされて聴こえなかったものが、ハイレゾでは克明に聴こえてしまうことがあります。このような聴きたくない音まで鮮明に再生されると、音楽に集中できず、ストレスを感じてしまう可能性があります。
さらに、高音域が刺さるように感じられるケースも挙げられます。ハイレゾは高周波数の再現能力に長けていますが、再生システムや楽曲との相性によっては、シンバルや高音のボーカルなどが耳に突き刺さるように感じられ、不快に思うこともあります。
これらの「聴き疲れ」は、必ずしもすべてのハイレゾ音源や再生環境で起こるわけではありません。むしろ、質の高いマスターから作られた良質なハイレゾ音源を、適切にセッティングされたシステムで聴けば、どこまでも自然で聴き疲れのないサウンドを体験できます。もし疲れを感じる場合は、音量を少し下げてみたり、録音の良いとされるアコースティックな楽曲を選んでみたりすると、印象が変わるかもしれません。



特にJ-POPはダイナミックレンジが浅くマスタリング?されているのか、良いシステムで聴くと音割れがしたりノイズが気になる時があります。
ハイレゾは意味ない!とならない為の知識


- ハイレゾ対応イヤホンやプレイヤーで音質は向上する
- カーオーディオでハイレゾは意味ない?
- ハイレゾの違いがわかるおすすめの曲
- おすすめのハイレゾストリーミング
- ハイレゾ音源を無料で試す方法
- 結論:ハイレゾは意味ないは嘘!環境次第でポテンシャルを発揮する
ハイレゾ対応イヤホンやプレイヤーで音質は向上する


ハイレゾ音源の真価を体験するためには、再生機器、特にイヤホンや専用プレイヤー(DAP:デジタルオーディオプレーヤー)への投資が鍵となります。これらの機器が音質向上にどのように貢献するのかを理解することが大切です。
ハイレゾ対応イヤホン・ヘッドホンの役割
イヤホンやヘッドホンに付与される「Hi-Res Audio」ロゴは、その製品が40kHz以上の高周波数帯域を再生できる性能を持つことを証明するものです。人間の可聴域は一般に20kHzまでとされていますが、この可聴域外の音が、可聴域内の音の聴こえ方に影響を与え、音のリアルさや空気感を向上させると言われています。
また、ハイレゾ対応を謳うモデルは、単に高音域が伸びるだけでなく、ドライバーユニットの応答性や筐体の設計など、音質全体を向上させるための工夫が凝らされている場合がほとんどです。これにより、音の解像度、分離、ダイナミクスが向上し、ハイレゾ音源の持つ微細なディテールを余すところなく耳に届けることが可能になります。
専用プレイヤー(DAP)の重要性
スマートフォンでもハイレゾ音源を再生することは可能ですが、音質を追求するなら専用のDAPが有利です。DAPがスマホより優れている主な理由は、オーディオ再生に特化した高品質な「DACチップ」と「アンプ」を搭載している点にあります。
- 高品質なDAC
デジタル音源をアナログ信号に変換する心臓部です。DAPに搭載されるDACは、ノイズが少なく、変換精度が非常に高いため、音の透明感や微細なニュアンスの再現力でスマホを凌駕します。 - 強力なアンプ
DACが変換したアナログ信号を増幅し、イヤホンを駆動させる部分です。DAPの強力なアンプは、特に高性能なイヤホンやヘッドホンが要求する駆動力を余裕で供給し、音の輪郭がはっきりとした、力強く安定したサウンドを実現します。
このように、ハイレゾ対応のイヤホンとDAPを組み合わせることで、スマホ単体では決して得られないレベルの音質向上が期待できます。ハイレゾは意味ないと感じていた方も、こうした専用機器で聴くことで、その印象が覆る可能性は十分にあります。
カーオーディオでハイレゾは意味ない?


「カーオーディオでハイレゾは意味ない」という意見は、一理あります。走行中の車内は、ロードノイズやエンジン音、風切り音など、音楽鑑賞にとっては過酷なノイズ環境にあるため、ハイレゾの持つ繊細な音のディテールがかき消されやすいからです。
しかし、これもまた「環境次第」というのが答えになります。近年の純正高級オーディオシステムや、後付けのハイエンドなカーオーディオ製品は、ハイレゾ再生を前提に設計されているものが増えています。これらのシステムには、車内特有の問題を克服するための高度な技術が投入されています。
例えば、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)を用いて、車内の複雑な音響特性を補正し、各スピーカーから耳までの距離やタイミングを精密に調整する「タイムアライメント」機能があります。また、ロードノイズを予測して逆位相の音を出すことで打ち消す「ノイズキャンセリング」技術も進化しています。
このような対策が施された車内で、質の良いスピーカーとパワーアンプを組み合わせれば、静かなリスニングルームに匹敵する環境を構築することも不可能ではありません。そうなれば、ハイレゾ音源の持つ圧倒的な情報量、例えばボーカルの息づかいや楽器の微細な響きが、走行中のノイズの中からでも明確に浮かび上がってきます。
もちろん、そこまでの環境を構築するには相応のコストがかかるのは事実です。しかし、ドライブという時間を最高の音楽体験の場としたいと考える方にとって、カーオーディオでのハイレゾ対応は決して意味のない投資ではないと言えるでしょう。
ハイレゾの違いがわかるおすすめの曲


ハイレゾ音源とCD音源の違いを体感するには、聴き比べる楽曲の選択が非常に重要です。録音状態が良く、音の情報量が多い楽曲を選ぶことで、ハイレゾの真価が分かりやすくなります。ここでは、違いを感じやすい楽曲のジャンルと、具体的なおすすめ曲の例を挙げます。
違いが分かりやすい楽曲のポイント
- アコースティック楽器が多用されている: ピアノ、ギター、バイオリンなどの生楽器は、倍音成分を豊かに含んでおり、ハイレゾで再生するとその響きのリアルさや余韻の美しさが際立ちます。
- ダイナミックレンジが広い: 静かなパートと盛り上がるパートの音量差が大きいクラシックやジャズは、ハイレゾの広いダイナミックレンジを活かせます。小さな音が潰れず、大きな音が歪まない表現力を感じ取れるでしょう。
- 空間表現が巧み: コンサートホールでのライブ録音や、スタジオで緻密に音場が作られた楽曲は、ハイレゾで聴くと奥行きや広がり、楽器の位置関係がより明確になります。
おすすめの試聴曲例
- Eagles / Hotel California (Live on MTV, 1994)
アコースティックギターのイントロは、弦の擦れる音やボディの鳴りといった生々しいディテールを聴き取るのに最適です。観客の拍手や歓声の広がりからも、ハイレゾならではの空間表現力を感じられます。 - Miles Davis / So What
ジャズの名盤『Kind of Blue』の1曲目。
静寂の中から立ち上るベースの音、艶やかなサックスの音色、そして繊細なシンバルワークまで、各楽器の質感がCD音源とは別次元のリアルさで迫ってきます。 - Norah Jones / Don’t Know Why
ボーカルとピアノが中心のシンプルな構成だからこそ、ノラ・ジョーンズの息づかいや声の温かみ、ピアノのタッチの繊細さがダイレクトに伝わります。音の滑らかさに違いを感じやすい一曲です。
これらの楽曲を、まずは普段お使いの環境で聴き、その後、ハイレゾ環境で聴き比べてみてください。楽器の音色の深みや、これまで聴こえなかった微細な音に気づくことができれば、それがハイレゾのポテンシャルです。
おすすめのハイレゾストリーミングサービス
近年、ハイレゾ音源を手軽に楽しめるストリーミングサービスが充実してきました。月額料金で膨大なハイレゾ楽曲が聴き放題になるため、これからハイレゾを始める方には最適な選択肢です。ここでは、主要なサービスの特徴を比較します。
サービス名 | 最大音質 | ハイレゾ楽曲数 | 特徴 |
Amazon Music HD | 192kHz/24bit (ULTRA HD) | 1億曲以上 | 圧倒的な楽曲数。プライム会員は料金が割安になる。 |
Apple Music | 192kHz/24bit (ハイレゾロスレス) | 1億曲以上 | 追加料金なしで全曲ロスレス以上。iPhoneユーザーに最適。 |
TIDAL | 192kHz/24bit (HiFi Plus) | 非公開 (数百万曲以上) | MQAという独自技術も採用。洋楽に強く、高音質志向のユーザーに人気。 |
Qobuz | 192kHz/24bit | 1億曲以上 | ハイレゾ音源のダウンロード購入も可能。クラシックやジャズに強い。 |
各サービス選択のポイント
- コストパフォーマンスと楽曲数を重視するなら
Amazon Music HDが有力な選択肢です。特にAmazonプライム会員であれば、他のサービスと比較して手頃な価格で膨大な楽曲を楽しめます。 - iPhoneユーザーなら
Apple Musicが最も手軽です。追加料金なしで、Appleのエコシステム内でシームレスにハイレゾロスレス音源にアクセスできます。(※別途DACが必要) - 洋楽中心で、よりマニアックな音質を求めるなら
TIDALやQobuzがおすすめです。特にQobuzはダウンロード販売も行っているため、お気に入りのアルバムをデータとして所有したい方にも向いています。
いずれのサービスも無料体験期間を設けていることが多いため、まずは自分の好みの楽曲が揃っているか、アプリの使い勝手はどうかなどを試してみるのが良いでしょう。



かんりにんはQobuzを契約してDAPにインストールして使っています!洋楽中心とは言っていますが、比較的日本のアーティストの曲もあるので悪くないです。あと音質はAmazonMusicHDやAppleMusicより良いと感じます。(主観ですが)
ハイレゾ音源を無料で試す方法


「いきなり月額サービスに登録するのは少し抵抗がある」「まずはハイレゾがどんなものか体験してみたい」という方のために、ハイレゾ音源を無料で試す方法がいくつか存在します。
ハイレゾ音源配信サイトの無料サンプル
moraなどのハイレゾ音源のダウンロード販売サイトでは、無料でダウンロードできるサンプル音源を提供していることがあります。これらのサイトに会員登録(無料)することで、様々なジャンルの楽曲をハイレゾ品質でダウンロードし、自分の再生環境で試すことが可能です。
以下からダウンロードできます!
レコードレーベルやオーディオブランドのサイト
高音質なレコーディングで知られるレコードレーベルや、オーディオ機器メーカーが、自社製品のプロモーションの一環として、公式サイトでハイレゾ音源を無料配布している場合があります。例えば、ノルウェーの高音質レーベル「2L」などは、その代表格です。
ストリーミングサービスの無料トライアル
前述のハイレゾストリーミングサービスは、ほとんどが1ヶ月程度の無料体験期間を設けています。この期間を利用すれば、数千万から1億曲以上の膨大なハイレゾライブラリに無料でアクセスできます。これが、最も手軽かつ網羅的にハイレゾを体験できる方法と言えるでしょう。
注意点として、無料期間が終了すると自動的に有料プランに移行する場合が多いため、継続利用しない場合は期間内に解約手続きを行うのを忘れないようにしてください。
これらの方法を活用し、まずはコストをかけずにハイレゾの世界に触れてみることが、後悔のないオーディオライフへの第一歩となります。
結論:ハイレゾは意味ないは嘘!環境次第でポテンシャルを発揮する
この記事を通じて解説してきたように、「ハイレゾは意味ない」という言葉は、特定の条件下でのみ当てはまる限定的な意見です。適切な知識と環境さえ整えれば、ハイレゾはCDでは味わえない深い音楽体験を提供してくれます。最後に、本記事の要点をまとめます。
- ハイレゾはCDを超える情報量を持つ高解像度音源である
- 情報量が多いことでアーティストの息づかいや空気感まで再現可能
- ロスレスは圧縮方式、ハイレゾは音源の品質を指す言葉
- ハイレゾの恩恵を受けるには再生機器全体の対応が必要
- 人間の聴覚の限界や元音源の質も違いの分かりやすさに影響する
- iPhone単体でのハイレゾ再生はできず外部DACが必須
- ワイヤレス(Bluetooth)接続では厳密なハイレゾ伝送は不可能
- LDAC等の高音質コーデックでもデータは圧縮されている
- 最高の音質を求めるなら有線接続が現在の最適解
- 「ハイレゾは疲れる」という意見は情報量の多さや音源の質が原因
- ハイレゾ対応イヤホンは可聴域外の再生能力が音のリアルさを向上させる
- 専用プレイヤー(DAP)は高品質なDACとアンプでスマホを凌駕する
- カーオーディオでもノイズ対策を施せばハイレゾは十分に意味がある
- 違いを体感するにはアコースティックな曲やライブ録音がおすすめ
- ストリーミングサービスを利用すれば手軽にハイレゾを始められる
- 無料サンプル音源やサービスの体験期間を活用してまず試してみるのが良い
コメント