オーディオファンの皆さん、こんにちは。 今回は、話題の新作イヤホン「MOONDROP Kadenz」について、レビューと音質評価を行っていきたいと思います。名機KATOの後継とも言われるこのモデル、KadenzとKATOの比較や違いが気になっている方も多いのではないでしょうか。日本での発売日や価格、そして気になるスペックやドライバー構成についても詳しく見ていきます。
また、付属品として4.4mmケーブルが含まれている点や、KadenzがUSB-C DAC機能を持ちスマホ直挿しで使える利便性も見逃せません。筐体の装着感や重さ、使い込むことによるエージングの変化についても触れていきます。さらに、Kadenzにおすすめのイヤーピースやリケーブルの相性、意外と重要なゲームやFPSでの定位感についても検証します。最後に、Kadenzに対する海外の反応や評判も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- KATO後継機としての進化点と音質の違い
- スマホ直挿し可能なUSB-C DACの実力
- 装着感や付属品を含めた詳細なスペック
- FPSゲームでの定位感や海外での評判

MOONDROP Kadenzのスペックと特徴

- MOONDROP Kadenzの日本発売日と価格
- Kadenzスペックとドライバー構成の詳細
- 豪華な付属品と4.4mmケーブル
- KadenzはUSB-C DACでスマホ直挿し可
- 気になるKadenzの装着感と重さ
MOONDROP Kadenzの日本発売日と価格
まずは、最も基本的な情報から整理しておきましょう。
MOONDROP(水月雨)の製品は、中国や海外で先行発売され、その後に日本で正式展開されるケースがしばしばあります。Kadenzも海外先行で話題になったあと、日本では2024年12月13日に正式発売されました。
価格についてはショップによって多少の差がありますが、2025年時点の国内実売はおおよそ2万6,000円から3万円前後で推移しています(e☆イヤホン実売 26,910円、量販店では約29,900円など)。
決して安い買い物ではありません。ただ、後述する付属品の豪華さやスペックを考えると、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。在庫状況によっては手に入りにくい時期もあるようなので、気になる方は早めにチェックしておくと良いと思います。
Kadenzスペックとドライバー構成の詳細
次に、イヤホンの心臓部とも言えるスペックについて見ていきます。
Kadenzには、MOONDROPが長年培ってきた技術が詰め込まれています。特に注目したいのが、ドライバー構成です。
公式サイトなどの情報によると、新開発の10mmダイナミックドライバーが搭載されているようです。これは「ULT-Gen2」と呼ばれるもので、前作KATOで採用されていたドライバーの進化版と考えられます。振動板にはドーム状の素材が使われており、これがクリアな音質に寄与しているのでしょう。
また、筐体の素材にはステンレススチールが採用されています。ステンレスをMIM(粉末冶金)プロセスで成形し、マットな仕上げと高い剛性を両立させています。以前のモデルのような鏡面仕上げとは異なり、落ち着いた質感で指紋が目立ちにくいのも特徴です。こうした素材選びや製造プロセスへのこだわりが、実際の音質にどう影響するのか楽しみです。
豪華な付属品と4.4mmケーブル
開封して驚くのが、付属品の充実ぶりです。
最近のイヤホンは付属品が簡素なものも多いですが、Kadenzは違います。特に嬉しいのが、ケーブルの仕様です。
標準で付属するケーブルは、単結晶銅銀メッキ線を用いた4.4mmバランス仕様の2Pinケーブルです。さらに同じ線材を使った「4.4mm→3.5mm変換ケーブル」が付属しており、アンプ側の端子に合わせて3.5mm・4.4mmのどちらでも接続できます。
これまで、バランス接続を試すには別途リケーブルを購入する必要がありましたが、Kadenzなら買ったその日から高品質なバランス接続を楽しめます。プラグ部分を交換するモジュラー式ではありませんが、同じ線材の変換ケーブルが用意されているのは、音質への配慮を感じます。これだけでも、数千円分の価値はあると思います。
KadenzはUSB-C DACでスマホ直挿し可

4.4mmケーブルや変換ケーブルに加えて、もう一つ見逃せないのがUSB-C接続への対応です。
最近のスマートフォンにはイヤホンジャックがない機種がほとんどです。そのため、有線イヤホンを使うには変換アダプタ(ドングルDAC)が必要でした。
KadenzにはUSB-C DAC機能を備えた4.4mm→USB-C変換ケーブル(ECHO-B)が付属しています。このケーブルをスマートフォンのUSB-C端子に接続するだけで、Kadenzをスマホ直挿しで高音質再生できます。
別途DACを持ち歩く必要がないので、荷物を減らしたい外出時や、カフェでの作業時などに重宝しそうです。手軽さと音質を両立させたい現代のリスニングスタイルに、うまくマッチした仕様だと感じます。
気になるKadenzの装着感と重さ
スペックや付属品が良くても、着け心地が悪ければ長時間の使用は難しいものです。
Kadenzの筐体はステンレス製ということもあり、手に持つとずっしりとした重さを感じます。プラスチック製のイヤホンに慣れている人は、少し驚くかもしれません。
ただ、実際に耳に装着してみると、その重さはあまり気になりません。人間工学に基づいた形状が採用されているためか、耳への収まりが良く、重さが分散されているような感覚です。
もちろん、耳の形状は人それぞれなので、万人に合うとは言い切れません。小柄な方や、耳の穴が小さい方は、イヤーピースのサイズ調整で工夫する必要があるかもしれません。それでも、金属筐体特有のひんやりとした質感と、高級感のある手触りは所有欲を満たしてくれます。
MOONDROP Kadenzの音質レビュー

- レビュー音質評価とKadenzエージング変化
- 名機継承?KadenzとKATO比較と違い
- KadenzリケーブルとKadenzおすすめイヤーピース
- Kadenzで検証するゲームFPSと定位
- 気になるKadenzの海外の反応と評判
- MOONDROP Kadenzの特徴まとめ
レビュー音質評価とKadenzエージング変化
それでは、肝心の音質についてレビューしていきます。
一聴して感じるのは、非常にバランスの取れたサウンドだということです。特定の帯域が主張しすぎることはなく、低域から高域までスムーズにつながっています。
ボーカルは近く、息遣いまで感じられるような生々しさがあります。高域は刺さることなく、綺麗に伸びていく印象です。MOONDROPらしい、透明感のある音作りは健在と言えるでしょう。
また、使い始めは少し音が硬いと感じるかもしれませんが、エージングによる変化も期待できます。数十時間ほど鳴らし込むと、低域の量感が増し、高域の角が取れてより滑らかになる傾向があります。じっくりと育てていく楽しみがあるのも、このクラスのイヤホンの醍醐味かもしれません。
名機継承?KadenzとKATO比較と違い

多くの人が気になっているのが、名機「KATO」との比較ではないでしょうか。
Kadenzは正統進化と言って差し支えないと思います。
音質面での違いとしては、KATOが少し華やかで艶のある音だったのに対し、Kadenzはより自然で落ち着いた音色にチューニングされていると感じます。解像度はKadenzの方が一枚上手かもしれません。
また、前述の通り、外観にも大きな違いがあります。KATOは鏡面仕上げで美しかったものの、指紋がつきやすいのが難点でした。一方、Kadenzはマットな仕上げになっており、指紋が目立ちにくく、扱いやすくなっています。デザインの好みは分かれるかもしれませんが、実用性は向上していると言えます。
KadenzリケーブルとKadenzおすすめイヤーピース
Kadenzはリケーブルにも対応しており、コネクタは汎用性の高い2pin(0.78mm)を採用しています。
付属ケーブルの質も十分高いですが、さらに好みの音に近づけたい場合はリケーブルを試してみるのも面白いでしょう。銀メッキ線などで高域の煌びやかさを足したり、銅線で低域の厚みを増したりと、カスタマイズの幅は広いです。
また、装着感や音質を微調整するには、イヤーピースの交換も効果的です。付属の「清泉(Spring Tips)」も優秀ですが、もしフィット感が合わない場合は、他社製のイヤーピースを試してみることをおすすめします。例えば、密閉度を高めるタイプや、高域の減衰を抑えるタイプなど、Kadenzの特性を活かせるイヤーピースはたくさんあります。
Kadenzで検証するゲームFPSと定位
最近では、音楽鑑賞だけでなくゲーム用途でイヤホンを探している人も増えています。
そこで、Kadenzを使ってFPSゲームでの定位感を検証してみました。
結果としては、予想以上に使えるという印象です。足音や銃声の方向が明確に把握でき、距離感も掴みやすいです。もちろん、ゲーミング専用に特化されたデバイスと比べれば違いはあるかもしれませんが、音楽もゲームも一本で済ませたいという人には十分な性能を持っています。
特に、解像度が高いため、環境音などの細かい音も聞き逃しません。広めのサウンドステージも相まって、没入感のあるゲームプレイが楽しめるでしょう。
気になるKadenzの海外の反応と評判
最後に、海外のオーディオコミュニティでの反応も見てみましょう。
海外の掲示板やレビューサイトをチェックすると、Kadenzに対する評判はおおむね好評のようです。
特に評価されているのは、やはりコストパフォーマンスの高さです。「KATOキラー」といった表現も見られ、前作を超えたという意見も少なくありません。また、付属品の豪華さやビルドクオリティの高さについても、多くのポジティブなコメントが寄せられています。
一方で、音の傾向が「優等生すぎる」「刺激が足りない」といった声も一部にはあるようです。これは、Kadenzがフラットで自然な音を目指した結果とも言えます。個性の強い音を求める人には物足りないかもしれませんが、多くの人にとっては聞き疲れしない、長く付き合える音だと評価されているようです。
MOONDROP Kadenzの特徴まとめ
- MOONDROPらしい透明感のあるサウンド
- KATOの良さを継承しつつ解像度が向上
- 指紋が目立ちにくいマットな金属筐体
- 付属品が非常に豪華でコスパが高い
- 標準4.4mmケーブルに加え、4.4mm→3.5mm変換ケーブルが付属
- USB-C DACケーブル(ECHO-B)付属でスマホ直挿しに対応
- 別途ドングルDACを買う必要がない
- 装着感は良好だが筐体は少し重め
- 長時間のリスニングでも聞き疲れしにくい
- エージングで音が滑らかになる傾向
- FPSゲームでの定位感も良好で使える
- リケーブルやイヤーピース交換も楽しめる
- 2025年時点の実売価格は2万6,000円前後から
- 初めての高級イヤホンとして最適
- KATOからの乗り換え先としても有力


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