「TAGO STUDIO」と「MOONDROP」という二つの音響ブランドがコラボしたイヤホン「Harmon-SP」に、今注目が集まっています。この記事にたどり着いたあなたは、この特別なイヤホンの概要や実際のレビューに関心があるのではないでしょうか。また、そもそもTAGO STUDIOとはどのような特徴を持つのか、そしてMOONDROPとはいかなるブランドなのか、その背景にある哲学まで深く知りたいと考えているかもしれません。本記事では、これらの疑問に全てお答えするため、Harmon-SPの魅力から各ブランドの個性まで、網羅的に情報をまとめました。
- コラボイヤホンHarmon-SPの技術的な特徴とスペック
- TAGO STUDIOとMOONDROPそれぞれのブランド哲学と代表作
- 発売直後のHarmon-SPに関する一次情報や初期レビューの動向
- Harmon-SPと各ブランドの他製品との音質的な違い
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TAGO STUDIO×MOONDROP Harmon-SPの魅力

- Harmon-SPの製品概要と主なスペック
- 独自の音響構造と搭載ドライバーの概要
- 専門家によるHarmon-SPのレビュー
- そもそもTAGO STUDIOとはどんなブランド?
- MOONDROPとはどんなオーディオメーカー?
Harmon-SPの製品概要と主なスペック

日本のプロオーディオ界で確固たる地位を築くTAGO STUDIOと、科学的アプローチで世界中のファンを魅了するMOONDROP。この二社が共同で開発した特別なインイヤーモニター(IEM)が「Harmon-SP」です。
本機は2025年8月9日に発売され、e☆イヤホンでの価格は49,500円(税込)、ビックカメラやヨドバシカメラでは55,000円(税込)で販売されています(2025年8月14日時点)。
この価格帯は、イヤホン市場において、エントリークラスからのステップアップや、本格的なオーディオ体験を求める層がターゲットとなる、競争の激しいミドルハイクラスに位置します。
両社の音響哲学が融合した本機のコンセプトは、一次情報の文脈を借りれば「VDSFターゲットとTAGO STUDIOの共同チューニングにより、忠実性と包容力の両立を図ったサウンド」と表現するのが最も的確でしょう。
これは単なる共同作業ではなく、TAGO STUDIOが貫く「制作者の意図を正確に再現する忠実性」と、MOONDROPが得意とする「音楽の美しさを引き出す包容力」という、時に相反しかねない二つの価値を、一つの音として昇華させるという極めて高度な目標を掲げていることを意味します。
製品の仕様について、最新の公式情報に基づき以下にまとめました。
項目 | スペック |
製品名 | Harmon-SP |
ドライバー構成 | 10mmフルサイズ動的型×3 (中高域用10mm Al-Mg合金ドーム×1 + 低域用10mm×2/水平対向配置) |
振動板素材 | 中高域用:Al-Mg合金ドーム複合振動板 |
再生周波数帯域 | 9Hz – 60kHz (公称)※一部販売店では20Hz-20kHz表記 |
インピーダンス | 7.5Ω (±15%) @1kHz |
感度 | 119dB/Vrms @1kHz |
ハウジング素材 | フェイスプレート:楓(メイプル)材 (内部はDLP-3Dプリント等を活用した複雑音響構造) |
ケーブル | 編み込み着脱式ケーブル |
コネクタ | 0.78mm 2Pin |
プラグ | 3.5mm / 4.4mm 交換式プラグ(同梱) |
仕様から読み解くHarmon-SPの個性
まず、7.5Ωという極めて低いインピーダンスと、119dBという高い感度。
これは、スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーでも非常に効率よく、十分な音量で鳴らすことができるという大きなメリットをもたらします。一方で、出力側の再生機器のノイズ(ホワイトノイズ)を拾いやすい側面も持つため、静寂性を重視する場合は、ノイズフロアの低い高品質なプレーヤーやアンプとの組み合わせが理想的と考えられます。
次に、フェイスプレートに採用された楓(メイプル)材。
これは、TAGO STUDIOの代表作であるモニターヘッドホン「T3-01」と同じ素材であり、単なるデザイン上のアクセントではありません。ブランドの哲学とサウンドシグネチャーを象徴する、まさに「顔」となる部分です。
そして、3.5mmと4.4mmの交換式プラグが同梱されている点は、現代のオーディオ環境への深い理解を示しています。
一般的な3.5mmアンバランス接続はもちろん、ハイエンドプレーヤーで主流の4.4mmバランス接続にもケーブルを買い足すことなく対応できるため、初心者から上級者まで、幅広いユーザー層のニーズを満たす構成と言えるでしょう。
独自の音響構造と搭載ドライバーの概要
Harmon-SPのサウンドは、極めてユニークな音響構造とドライバー構成によって支えられています。
Al-Mg合金ドームと水平対向デュアルドライバー


本機のドライバーは3基の10mmフルサイズ・ダイナミックドライバーで構成されます。中高域は、軽量かつ高剛性なAl-Mg合金ドーム複合振動板を持つドライバーが1基担当し、微細なディテールと透明感を両立。低域は、MOONDROPの知見が活かされた水平対向配置の10mmドライバー2基が担い、歪みを抑えながらパワフルな低音再生を実現します。
特許構造「4チャンバー・クロスオーバー」

これらの3基のドライバーを制御するのが、特許取得済みの「4チャンバー」構造です。これは単なるデュアルキャビティ構造とは異なり、各ドライバーに最適化された独立チャンバー(空気室)を割り当てる複雑な音響設計です。MOONDROPが得意とするFEA(有限要素解析)シミュレーションを駆使して開発され、マルチドライバー構成にありがちな位相のズレを解消し、自然な音のつながりを実現しています。
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専門家によるHarmon-SPのレビュー
本機は2025年8月9日に発売されたばかりのため、2025年8月現在、専門メディアによる網羅的なレビューはまだ出揃っていません。現在はメーカーの公式発表や一次情報の速報、そして一部の個人レビューが中心となっている段階です。
そのため、「評価が固まっている」と断じるのは時期尚早ですが、初期情報からはその革新的な3DD(トリプルダイナミックドライバー)構成や、TAGO STUDIOとの共同チューニングに対する期待の高さがうかがえます。今後、各専門メディアで詳細なレビューが蓄積されていくものと推測されます。
そもそもTAGO STUDIOとはどんなブランド?

TAGO STUDIOとは、群馬県高崎市に拠点を置く日本のプロフェッショナルオーディオブランドです。元々は「TAGO STUDIO TAKASAKI」という音楽スタジオの運営から始まり、そこで培われた知見を活かしてヘッドホンやイヤホンの開発を手掛けています。
プロの現場から生まれた音作り
このブランドの最大の特徴は、レコーディングエンジニアやアーティストといった「音のプロフェッショナル」が求めるサウンドを追求している点にあります。単なるリスニング用途だけでなく、制作者の意図を正確に再現するモニターサウンドを基本思想としています。そのため、製品は極めて高い解像度とフラットな周波数特性を持つ傾向があり、音楽制作の現場で絶大な信頼を得ています。
代表作であるスタジオモニターヘッドホン「T3-01」は、その正確無比なサウンドで多くのクリエイターから支持されています。素材にもこだわり、ハウジングには国産の楓材を使用するなど、日本のものづくりの精神が息づいているのも魅力の一つです。このように、TAGO STUDIOは音楽制作の最前線から生まれた、信頼性の高いブランドと言えます。
MOONDROPとはどんなオーディオメーカー?

一方、MOONDROP(水月雨)は、中国の四川省成都市で2015年に設立された新進気鋭のオーディオブランドです。一部製品のプロモーション等でアニメ調のキャラクターを起用する例も見られますが、その実力は本格的で、世界中のオーディオファンから高い評価を受けています。
科学的アプローチと独自の美学
MOONDROPの製品開発における核心は、科学的なアプローチと音響理論に基づいたチューニングです。特に、VDSFターゲットカーブ(Virtual Diffusion Sound Field)に基づいた周波数特性の最適化に力を入れており、多くの製品で自然かつバランスの取れたサウンドを実現しています。この理論的な裏付けが、同ブランドの信頼性を高める要因となっています。
製品ラインナップは幅広く、エントリーモデルからハイエンドモデルまで多岐にわたります。代表作の「KATO」や「Aria」などは、その価格帯からは考えられないほどの高い音質性能で人気を博しました。技術力と独自の美学を両立させている点が、MOONDROPが多くのファンを惹きつける理由と考えられます。
Harmon-SPを解剖:TAGO STUDIOの魂とMOONDROPの技術

- Harmon-SPに宿る「TAGO STUDIOの魂」:音響監修
- Harmon-SPを支える「MOONDROPの技術」:製造と設計
- サウンドの比較:T3-01とKATO、そしてHarmon-SP
- 弱点と注意点:コラボレーションモデルならではの課題
- 総括:Harmon-SPはTAGOとMOONDROPの理想的な融合か
Harmon-SPに宿る「TAGO STUDIOの魂」:音響監修
Harmon-SPのサウンドを決定づけているのは、間違いなくTAGO STUDIOが担当した音響監修です。これは製品の「魂」とも言える部分であり、彼らがプロの現場で培ってきた音響哲学そのものが注入されています。
TAGO STUDIOの代表作であるモニターヘッドホン「T3-01」は、”制作者の意図を正確に伝える”ことを至上命題としています。Harmon-SPのチューニングもこの哲学を色濃く受け継いでおり、特定の周波数帯域を誇張しない、極めてフラットで実直なサウンドを目指して行われました。
具体的には、楽曲全体のバランス、各楽器の分離感、そして音の立ち上がりから消え際までの過渡特性を重視しています。この監修があったからこそ、Harmon-SPは単なるリスニングイヤホンではなく、「ポータブルなモニター環境」と評されるほどの正確性を手に入れることができたのです。まさに、TAGO STUDIOの魂が、その音質の根幹を成していると言えます。
Harmon-SPを支える「MOONDROPの技術」:製造と設計
TAGO STUDIOが描いた音響という「魂」に、具体的な「肉体」を与えたのがMOONDROPの先進的な技術力です。彼らの貢献がなければ、Harmon-SPという製品は形になることさえなかったでしょう。
精密な筐体製造とドライバー技術
フェイスプレートにはTAGO STUDIOの象徴とも言える楓(メイプル)材が採用されていますが、その内部にはMOONDROPの技術の粋が詰め込まれています。特に、前述の複雑な4チャンバー構造は、高精度なDLP-3Dプリント技術などを用いることで初めて量産化が可能になりました。
また、心臓部である3基のドライバー(Al-Mg合金ドームと水平対向デュアルドライバー)も、MOONDROPの長年の開発経験に裏打ちされたものです。これらの革新的な物理構造が、ドライバーの性能を最大限に引き出す土台となっています。
音響フィルターとシミュレーション
さらに、MOONDROPが得意とするFEA(有限要素解析)シミュレーションを駆使した音響設計も重要な役割を担っています。これにより、内部の空気の流れや圧力、不要な共振を精密にコントロールし、TAGO STUDIOが求めるフラットな周波数特性を実現するための物理的な構造を最適化しています。音響フィルターによる微調整も、彼らの技術の真骨頂です。
このように、MOONDROPの持つ製造技術と設計ノウハウが、Harmon-SPの品質と性能を物理的に支えているのです。
サウンドの比較:T3-01とKATO、そしてHarmon-SP


Harmon-SPの立ち位置を明確にするため、各ブランドの代表作とサウンドを比べてみましょう。
TAGO STUDIOの「T3-01」は、前述の通りプロ用モニターヘッドホンであり、そのサウンドは「無色透明なガラス」に例えられます。音源の情報をありのままに、一切の脚色なく描き出すことが目的です。
一方、MOONDROPの「KATO」は、多くの人が心地よいと感じる「VDSF」ターゲットカーブに基づいた、音楽的なリスニングサウンドが特徴です。ボーカルは艶やかで、高域は煌びやかに調整されており、「美しい絵画」のように音楽の魅力を引き立てます。
そして「Harmon-SP」は、その両者の中間に位置する存在です。T3-01のような厳格なモニターサウンドを土台としながらも、インイヤーモニターとしてのリスニングのしやすさも考慮されています。KATOほど音楽的な演出はありませんが、T3-01よりも少しだけ音の輪郭が滑らかで、長時間の使用でも疲れにくいバランスに仕上がっていると言えるでしょう。
弱点と注意点:コラボレーションモデルならではの課題
これほど魅力的なHarmon-SPですが、コラボレーションモデルならではの弱点や注意点も存在します。
第一に、「器用貧乏」と捉えられる可能性です。TAGO STUDIOの純粋なモニターサウンドを求めるユーザーからは「少しリスニング寄りだ」と見なされるかもしれません。逆に、MOONDROPの音楽的なサウンドに慣れ親しんだファンにとっては「地味で面白みに欠ける」と感じられる可能性があります。両社の特徴を併せ持つがゆえに、どちらの熱心なファンからも完全には受け入れられないというジレンマを抱えています。
第二に、そのニュートラルな音質が、再生する音源の質をシビアに反映してしまう点です。録音状態の良くない音源や、圧縮率の高いストリーミング音源では、その粗が目立ちやすく、楽しめない場合があります。このイヤホンの真価を発揮させるには、質の高い音源を用意することが一つの鍵となります。
総括:Harmon-SPはTAGOとMOONDROPの理想的な融合か
これまでの情報を基に、Harmon-SPという特別なイヤホンについて、そしてTAGO STUDIOとMOONDROPという二つのブランドについて、重要なポイントを以下にまとめます。
- TAGO STUDIOはプロの音楽スタジオから生まれた日本のブランド
- 同社の哲学は「制作者の意GNDを正確に再現する」こと
- 代表作「T3-01」はスタジオモニターの基準器として名高い
- MOONDROPは科学的アプローチを重視する中国のブランド
- 理論に基づいたチューニングと高い製造技術に定評がある
- Harmon-SPはTAGOの「魂」(音響監修)とMOONDROPの「技術」(製造・設計)の結晶
- 楓材のフェイスプレートと3DD(トリプルダイナミックドライバー)構成が特徴
- 7.5Ω/119dBという現代的なスペック
- 3.5mm/4.4mm交換式プラグが同梱され、多様な環境に対応
- サウンドの核はTAGO STUDIO監修による忠実性の高いサウンド
- 注意点として、両ブランドの熱心なファンには中途半端と感じられる可能性
- 再生する音源の質をシビアに反映する側面も持つ
- プロのモニターサウンドをポータブル環境で体験したいユーザーに最適
- 正確な音を基準に、様々なイヤホンを聴き比べたいオーディオファンにも推奨できる
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