かんりにんです。
ソニーから新しいウォークマンが3機種まとめて発表されましたね。フラッグシップの「NW-WM1ZM3」、兄弟機の「NW-WM1AM3」、ZXシリーズの「NW-ZX900」で、発売はどれも2026年11月27日です。
前のモデル(NW-WM1ZM2・NW-WM1AM2・NW-ZX707)から3〜4年ぶりのモデルチェンジで、価格はかなり上がりました。3機種はどこが違うのか、いま旧モデルを使っている人は買い替えるべきなのか。公式の仕様を旧モデルと並べて、数字ベースで整理してみます。
整理してみてわかったのは、WM1ZM3とWM1AM3の差は筐体の素材・内部配線・容量で、機能やバッテリーは同じだということ。ZX900はZX707から電池と中身が大きく伸びた代わりに、重さは約1.5倍、価格は約2倍になっています。旧モデルからの買い替えは、ストリーミングで聴く時間が長い人ほどメリットが大きく、本体に入れた音源の再生が中心なら急がなくていい、というのが僕の結論です。
先にお伝えしておくと、僕はまだ新モデルの実機を聴けていません。音についてはソニーの説明と、先行試聴した専門メディアの評価を紹介する形になります。そのぶん、スペックと価格の比較は細かく見ていきます。
- NW-WM1ZM3・NW-WM1AM3・NW-ZX900の価格と発売日
- WM1ZM3とWM1AM3の違い、ZX900とZX707の違い
- 旧モデルと比べて伸びたところと減ったところ
- 旧モデルから買い替えるべき人と待っていい人
NW-WM1ZM3など新ウォークマン3機種の概要

国内での発表は2026年10月16日でした(米国では現地時間15日に発表)。3機種ともオープン価格で、市場想定価格とソニーストアの販売価格は次のとおりです。
| モデル | 位置づけ | 市場想定価格 | ソニーストア価格(税込) | 容量 | 発売日 |
|---|---|---|---|---|---|
| NW-WM1ZM3 | Signature Seriesのフラッグシップ | 65万5,000円前後 | 654,500円 | 256GB | 2026年11月27日 |
| NW-WM1AM3 | Signature Series | 34万7,000円前後 | 346,500円 | 128GB | 2026年11月27日 |
| NW-ZX900 | ZXシリーズ | 21万5,000円前後 | 214,500円 | 64GB | 2026年11月27日 |
NW-WM1ZM3には、musashino LABELの専用ケースなどが付くソニーストア限定パッケージ(679,800円・100台の抽選販売)も用意されています。受付は10月25日23時59分までです。価格はいずれも記事執筆時点のもので、最新の価格は各ショップでご確認ください。
3機種に共通する主な進化
今回の3機種は、価格帯こそ違いますが中身の土台はかなり共通しています。まず押さえておきたい共通の変更点をまとめます。
- デジタルアンプ「S-Master HX」に先読み型ノイズシェーパーを搭載
- DSDリマスタリング(最大11.2MHz)とDSEE Ultimateが、ストリーミングなど他社アプリの再生にも使えるようになった
- OSはAndroid 16、画面はフルHD(1920×1080)に
- Bluetooth 5.4で、aptX AdaptiveとLC3(LE Audio)に新たに対応
- Wi-Fiは6GHz帯を含むIEEE 802.11axに対応
- 他社アプリでのバッテリー持ちが大幅に延びた
いちばん耳慣れないのが「先読み型ノイズシェーパー」だと思います。S-Master HXは、音をデジタル信号のまま増幅するタイプのアンプです。デジタル処理の過程では、どうしても細かいノイズ(量子化ノイズ)が生まれます。そのノイズを耳につきにくい高い帯域へ追いやる処理がノイズシェーパーで、今回は「少し先の信号を見てから」ノイズの逃がし方を決める方式になった、とソニーは説明しています。料理で言えば、次に来る材料を見てから火加減を決めるようなイメージですね。
この先読み型は、WM1の2機種ではライト・バランス・ディープの3段階と、従来型のノーマルの計4種類から選べます。ZX900はバランスとノーマルの2種類です。音の好みに合わせて切り替えられるのは、試聴のときの楽しみが一つ増えそうです。
個人的に実用面で大きいと思うのは、DSDリマスタリングとDSEE Ultimateが他社アプリにも効くようになった点です。これまでの世代では、こうした高音質化の機能はソニー純正の再生アプリ「W.ミュージック」で聴くときが中心でした。ストリーミングで聴く時間が長い人にとっては、新機能というより「やっと全部の音源で使えるようになった」という変化かもしれません。新たに対応したLC3については、LC3対応イヤホンおすすめ8選比較で詳しく書いています。
スペック比較表で見る3機種の差
ソニー公式サイトの仕様表から、3機種の主な違いを並べてみました。
| 項目 | NW-WM1ZM3 | NW-WM1AM3 | NW-ZX900 |
|---|---|---|---|
| メインシャーシ | 無酸素銅(純度約99.99%)削り出し | アルミ削り出し | アルミ削り出し |
| リアシャーシ | 金メッキ無酸素銅(削り出し) | 金メッキ無酸素銅(押し出し材) | 金メッキ無酸素銅(押し出し材) |
| 4.4mm端子までの内部配線 | キンバーケーブル | 高純度OFCケーブル | 非公表 |
| 質量 | 約670g | 約425g | 約345g |
| 最大外形寸法(幅×高さ×奥行) | 約86.0×157.6×23.2mm | 約86.0×157.6×23.2mm | 約77.2×139.8×17.5mm |
| 画面 | 5.5型 フルHD | 5.5型 フルHD | 5.0型 フルHD |
| 容量(実使用可能領域) | 256GB(約207GB) | 128GB(約91GB) | 64GB(約33GB) |
| 出力 ステレオミニ/バランス | 60mW+60mW/250mW+250mW | 60mW+60mW/250mW+250mW | 50mW+50mW/250mW+250mW |
| 連続再生 MP3 128kbps | 約35時間 | 約35時間 | 約40時間 |
| 連続再生 FLAC 96kHz/24bit | 約33時間 | 約33時間 | 約38時間 |
| 連続再生 他社アプリ | 約31時間 | 約31時間 | 約35時間 |
| 先読み型ノイズシェーパー | ライト/バランス/ディープ | ライト/バランス/ディープ | バランスのみ |
出力はJEITA 16Ω・ハイゲイン時、連続再生時間はW.ミュージックでの値(他社アプリはMP3 128kbps・オフライン再生時)です。
表にすると、WM1ZM3とWM1AM3は外形寸法・画面・出力・バッテリーまで同じで、違いは筐体の素材、内部配線、容量に集中していることがわかります。つまりこの2機種の価格差は、機能ではなく「素材と部品にどこまでお金をかけたか」の差です。
ZX900はひと回り小さく軽いぶん、ステレオミニ端子の出力がわずかに低く、ノイズシェーパーの選択肢も少なめです。その代わりバッテリーは3機種でいちばん長持ちします。4.4mmのバランス出力はWM1と同じ250mW+250mWなので、バランス接続で使うなら駆動力の差はほとんど気にしなくてよさそうです。バランス接続そのものについては初めてのバランス接続ガイドにまとめています。
ソニー公式の製品情報はこちらから確認できます(出典:ソニー公式 NW-WM1ZM3 製品ページ)。
NW-WM1ZM3とWM1AM3の違い

同じSignature Seriesでも、NW-WM1ZM3とNW-WM1AM3のソニーストア価格の差は308,000円あります。見た目のサイズも機能も同じなので、「何にその差額を払うのか」を知っておくと選びやすくなります。ポイントは筐体と配線、それに容量です。
筐体と内部配線が価格差の中心
WM1ZM3のメインシャーシは、純度約99.99%(4N)の無酸素銅を削り出したものです。リアシャーシも金メッキを施した無酸素銅の削り出しで、前モデルのWM1ZM2ではアルミだった背面まで銅になりました。銅は電気抵抗が低く、重くて振動しにくい素材なので、グラウンド(電気の基準点)を安定させてノイズを減らす狙いがあるとされています。
一方のWM1AM3は、メインシャーシがアルミの削り出しです。リアシャーシはWM1ZM3と同じく金メッキの無酸素銅ですが、削り出しではなく押し出し材を使っています。内部の違いとしては、4.4mmバランス端子までの配線がWM1ZM3はケーブルブランドのキンバーケーブル(KIMBER KABLE)、WM1AM3は高純度のOFCケーブルです。WM1ZM3は一部のビスにも金メッキを使っています。
逆に共通している部分も多く、電源まわりの大容量の固体高分子コンデンサーは両機種とも2基で、デジタル系とアナログ系の電源を分けて配置しています。ソニー販売店の解説によると前モデルのWM1ZM2・WM1AM2ではこのコンデンサーは1基だったので、電源の強化は2機種ともに受けている進化です。
素材の差は、そのまま重さにも出ています。WM1ZM3は約670g、WM1AM3は約425gで、その差は約245g。スマートフォン1台ぶんくらいの差です。前モデルと比べても、WM1ZM2の約490gから180gほど重くなりました。670gとなると、ジャケットのポケットに入れて気軽に持ち歩く重さではありません。カバンに入れて移動先でじっくり聴く、あるいは家の中で据え置き的に使う、という使い方が現実的かなと思います。
容量の差と専門メディアの音の評価
もう一つの違いが内蔵ストレージです。WM1ZM3は256GB、WM1AM3は128GB。ただ、実際に音楽を入れられる領域はそれぞれ約207GBと約91GBで、表記よりかなり少なくなります。前モデルの実使用可能領域はWM1ZM2が約215GB、WM1AM2が約103GBだったので、新モデルのほうが少し減っています。OSが新しくなって、システムが使う領域が増えたためかなと思います。
| モデル | 表記容量 | 実使用可能領域 |
|---|---|---|
| NW-WM1ZM3 | 256GB | 約207GB |
| NW-WM1ZM2(前モデル) | 256GB | 約215GB |
| NW-WM1AM3 | 128GB | 約91GB |
| NW-WM1AM2(前モデル) | 128GB | 約103GB |
ハイレゾ音源をたくさん本体に入れたい人には、この差は無視できません。ソニーの目安ではFLAC 96kHz/24bitの曲は約33GBで約250曲なので、WM1AM3の約91GBなら単純計算で700曲弱です。どちらもmicroSDカードに対応しているので、手持ちのライブラリが大きい人はカードの併用を前提に考えておくと安心です。ストリーミング中心なら、128GBでも困る場面は少ないと思います。
音の違いについては、発表直後にAV Watchが3機種を試聴したミニレビューを出しています。そこではWM1ZM3が3機種のなかでいちばん高く評価されていて、低域の深さや空間の広がりが際立つと書かれていました。WM1AM3については、全体の聴こえ方は前フラッグシップのWM1ZM2にかなり近く、WM1AM2からは低域の豊かさと空間の広がりが大きく伸びた、という評価です。
この評価をそのまま受け取るなら、WM1AM3は「旧フラッグシップ級の音を、約半額で」というポジションになります。もちろん音の感じ方は人それぞれで、僕自身はまだ確かめられていません。ただ、30万円以上の差額を払う前に、まずWM1AM3で十分かどうかを試聴で確かめる価値はありそうです。
ZX900とZX707を比較|何が変わった?

ZXシリーズは、WM1シリーズより手頃な価格でウォークマンの高音質技術を使える立ち位置のモデルです。前モデルのNW-ZX707は2023年1月27日の発売で、市場想定価格は約10万5,000円でした。新しいNW-ZX900は、そのZX707から中身も価格も大きく変わっています。まずは公式仕様を並べてみます。
| 項目 | NW-ZX707 | NW-ZX900 |
|---|---|---|
| 発売 | 2023年1月27日 | 2026年11月27日 |
| 市場想定価格 | 約10万5,000円 | 約21万5,000円 |
| OS | Android 12(Android 14までアップデート) | Android 16 |
| 画面 | 5.0型 HD(1280×720) | 5.0型 フルHD(1920×1080) |
| 容量(実使用可能領域) | 64GB(約47GB) | 64GB(約33GB) |
| 質量 | 約227g | 約345g |
| 最大外形寸法(幅×高さ×奥行) | 約72.5×132.3×16.9mm | 約77.2×139.8×17.5mm |
| 出力 ステレオミニ/バランス | 50mW+50mW/230mW+230mW | 50mW+50mW/250mW+250mW |
| 連続再生 FLAC 96kHz/24bit | 約23時間 | 約38時間 |
| 連続再生 他社アプリ | 約22時間(バランスは約21時間) | 約35時間 |
| リアシャーシ | アルミ | 金メッキ無酸素銅 |
| Bluetooth | Ver 5.0/SBC・AAC・LDAC・aptX・aptX HD | Ver 5.4/左記+aptX Adaptive・LC3 |
| Wi-Fi | IEEE 802.11ac(2.4/5GHz) | IEEE 802.11ax(2.4/5/6GHz) |
電池・画面・音質面の進化
数字でいちばん目立つのはバッテリーです。W.ミュージックでのFLAC 96kHz/24bit再生は約23時間から約38時間へ、ストリーミングなど他社アプリでの再生は約22時間から約35時間へ延びました。ZX707はローカル再生で約23〜25時間と、同世代のWM1AM2(約40時間)より短めだったので、ここは素直にうれしい改善だと思います。AV Watchによると、バッテリーはWM1シリーズと同じ大容量のものを使っているそうです。
画面はサイズが5.0型のまま、解像度がHDからフルHDになりました。アルバムのジャケット写真を眺めながら聴く人には効いてくる部分です。ストリーミングアプリの文字もくっきり表示されるはずなので、操作のしやすさにもつながりそうです。
音質に関わる部分では、WM1シリーズからの技術の流用がかなり進んでいます。リアシャーシはWM1AM3と同じ金メッキの無酸素銅になり、音の基準となるクロックを生む水晶発振器もWM1の2機種と同じものを積んでいます。AV Watchによると、電源やSoCもWM1シリーズと同じ技術・パーツを使っているとのこと。バランス出力も230mWから250mWに上がりました。
先ほどのAV Watchのミニレビューでは、ZX900の音はWM1AM2に近い水準で、高域の抜け方にZX707の面影は少し残るものの、ZXシリーズとしては別物になったと評価されていました。発表資料を読む限り、ZX900は「ZX707の改良版」というより、WM1の技術をZXサイズに詰め込んだモデルと考えたほうが実態に近そうです。
重さは約1.5倍、価格は約2倍に
その一方で、失ったものもあります。いちばん大きいのは携帯性です。質量は約227gから約345gへ、118g増えました。幅は約72.5mmから約77.2mm、高さは約132.3mmから約139.8mmと、ひと回り大きくなっています。ZX707はコンパクトさが魅力の一つだったので、そこを理由に選んでいた人にとってはかなり性格の違う製品です。
価格は市場想定で約10万5,000円から約21万5,000円へ、ほぼ2倍です。前世代で比べると、2022年に発売されたWM1AM2のソニーストア価格(159,500円)すら上回っています。ZXシリーズは長く「WM1の手頃版」という立ち位置でしたが、ZX900は価格だけを見ると、かつてのWM1AM2がいた場所に移ってきた印象です。
見落としやすいのが容量です。表記はどちらも64GBですが、実際に使える領域はZX707の約47GBに対してZX900は約33GBと、3割ほど少なくなっています。ローカルにハイレゾ音源を入れて聴くなら、microSDカードはほぼ必須と考えておいたほうがいいですね。
- 伸びたところ:バッテリー、画面解像度、バランス出力、対応コーデック、Wi-Fi、WM1由来のパーツ
- 減ったところ:携帯性(約118g増)、実使用可能な容量(約14GB減)
- 大きく変わったところ:価格(約2倍)
こうして並べると、ZX900は「ZX707と同じ感覚で持ち歩ける上位版」を期待すると少しズレます。サイズと価格が上がったぶん、中身はWM1寄りになったモデル、と受け止めるのがちょうどいいと思います。ソニー公式の仕様は製品ページでも確認できます(出典:ソニー公式 NW-ZX900 製品ページ)。
ウォークマンは旧モデルから買い替えるべき?

ここからは、旧モデルを持っている人が買い替えるべきかを考えます。判断の分かれ目になるのは、音楽を「本体に入れた音源で聴くのか」「ストリーミングで聴くのか」です。というのも、W.ミュージックでのローカル再生に限ると、WM1シリーズはバッテリー持ちがむしろ短くなっているからです。
| 項目 | NW-WM1ZM2 | NW-WM1ZM3 | NW-WM1AM2 | NW-WM1AM3 |
|---|---|---|---|---|
| 発売 | 2022年3月 | 2026年11月 | 2022年3月 | 2026年11月 |
| ソニーストア価格(発売時・税込) | 396,000円 | 654,500円 | 159,500円 | 346,500円 |
| OS | Android 11 | Android 16 | Android 11 | Android 16 |
| 画面 | 5.0型 HD | 5.5型 フルHD | 5.0型 HD | 5.5型 フルHD |
| 質量 | 約490g | 約670g | 約299g | 約425g |
| 連続再生 FLAC 96kHz/24bit | 約40時間 | 約33時間 | 約40時間 | 約33時間 |
| 連続再生 他社アプリ | 約18時間 | 約31時間 | 約18時間 | 約31時間 |
| 連続再生 DSD 2.8MHz(バランス) | 約15時間 | 約35時間 | 約15時間 | 約35時間 |
ローカルのFLAC再生は約40時間から約33時間に減り、他社アプリでの再生は約18時間から約31時間に、DSDのバランス再生は約15時間から約35時間に延びています。同じ「バッテリーが改善」でも、聴き方によって恩恵がまったく違うわけです。歴代モデルの流れが気になる方はウォークマン歴代の名機を解剖した記事もどうぞ。
WM1ZM2・WM1AM2から買い替えるべき人
買い替えのメリットが大きいのは、ストリーミングで聴く時間が長い人です。他社アプリでの連続再生が約18時間から約31時間に延びるうえ、DSDリマスタリングやDSEE Ultimateがストリーミング再生にも効くようになりました。WM1ZM2・WM1AM2で「Amazon MusicやApple Musicを聴くと電池がすぐ減る」と感じていた人には、わかりやすい改善です。
OSの差も無視できません。WM1ZM2・WM1AM2はAndroid 11のままです。ストリーミングアプリは年々対応OSを引き上げていくので、今すぐ困らなくても、数年先を考えると少しずつ不安が出てきます。DSD音源をバランス接続で聴く人も、連続再生が倍以上になるので恩恵を感じやすいはずです。
反対に、急がなくていいのは、本体やmicroSDに入れたFLACをW.ミュージックで聴くのが中心で、今の音に満足している人です。この使い方だとバッテリーは約7時間短くなり、本体も重くなります。ストリーミングを使わないなら、OSが古いことの影響も比較的小さめです。
機種ごとに見ると、WM1AM2からWM1AM3への買い替えは、ソニーストア価格で約2.2倍の出費になります。前述のAV Watchの評価どおりWM1ZM2に近い音なら、得られるものは大きい一方で、決して気軽な金額ではありません。WM1ZM2からWM1ZM3は、価格が約1.65倍、重さが180g増。携帯性を少し犠牲にしてでも最上位の音を求める人向けの選択です。どちらの場合も、試聴して差が自分の耳でわかるかを確かめてから決めるのが無難かなと思います。
ZX707から買い替えるべき人
ZX707ユーザーで買い替えを考えてよいのは、バッテリーの持ちに不満がある人と、音の面でもう一段上を求めている人です。FLAC再生で約23時間から約38時間、ストリーミングで約22時間から約35時間と、ZX707からの伸びはWM1以上に大きく、外出先での電池残量を気にする場面はかなり減るはずです。aptX AdaptiveやLC3に対応したワイヤレスイヤホンを使いたい人にもメリットがあります。
一方で、ZX707の小ささと軽さが気に入っている人には、すすめにくい買い替えです。約118g重くなってひと回り大きくなるので、ズボンのポケットに入れて歩くような使い方は難しくなるかもしれません。価格も約2倍なので、「ZXシリーズの新型だから」という理由だけで選ぶと、想像していたものと違ったと感じる可能性があります。
ZX707はAndroid 14までアップデートされているので、WM1ZM2・WM1AM2ほどOSの古さを心配しなくて済みます。電池と携帯性に不満がなければ、もうしばらく使い続けるのも十分ありな選択です。
旧モデルをいま買うのはアリ?
新モデルが高くなったことで、「型落ちの旧モデルを安く買う」という選択肢を考える人もいると思います。ただ、販売店の情報では、WM1ZM2・WM1AM2・ZX707はすでに出荷を終えて在庫限りになっていると伝えられています(2026年8月時点。ソニーからの公式発表ではありません)。在庫が減るにつれて価格は上下しやすく、思ったほど安くないケースもあるので、買うなら新モデルとの差額を確かめてからにしましょう。
旧モデルを選ぶなら、ローカル音源中心で、ストリーミングはおまけ程度という人が向いています。とくにWM1AM2はAndroid 11なので、ストリーミングを主役にするなら新モデルのほうが長く安心して使えます。使い方別に整理すると、次のようになります。
| こんな人に | 選ぶモデル | 理由 |
|---|---|---|
| 予算に上限を設けず最上位の音が欲しい | NW-WM1ZM3 | 銅筐体とキンバーケーブル。重さ約670gを許容できるなら |
| 旧フラッグシップ級の音を少しでも抑えた価格で | NW-WM1AM3 | WM1ZM3と同じ機能・電源で約半額。専門メディアの評価はWM1ZM2に近い |
| 持ち歩きやすさと電池持ちを両立したい | NW-ZX900 | 3機種で最軽量・最長の連続再生。バランス出力はWM1と同じ |
| ストリーミング中心でWM1M2を使っている | 買い替えを検討 | 他社アプリの電池が約18時間→約31時間、OSもAndroid 16に |
| ローカル再生中心で今の音に満足 | 手持ちを継続 | ローカル再生の電池はむしろ短くなる |
| ZX707の軽さが気に入っている | 手持ちを継続 | ZX900は約118g重く、価格も約2倍 |
まとめ|NW-WM1ZM3はどんな人向けか

最後に、3機種の要点と僕自身の考えをまとめておきます。
NW-WM1ZM3を含む3機種の選び方
- 3機種とも2026年11月27日発売。ソニーストア価格はNW-WM1ZM3が654,500円、NW-WM1AM3が346,500円、NW-ZX900が214,500円
- 共通の進化は先読み型ノイズシェーパー、ストリーミングでも使えるDSDリマスタリングとDSEE Ultimate、Android 16、他社アプリでの電池持ち
- WM1ZM3とWM1AM3の差は筐体素材・内部配線・容量。機能や出力、バッテリーは同じ
- ZX900はZX707から電池と中身が大きく進化した反面、約118g重く、価格は約2倍
- 旧モデルからの買い替えは、ストリーミング中心の人ほどメリットが大きい
NW-WM1ZM3は、重さと価格を受け入れてでも、いまのウォークマンで出せる最上位の音を手に入れたい人のための一台です。WM1AM3は旧フラッグシップに近い音を求める人、ZX900は持ち歩きと電池持ちを優先したい人。こうして整理すると、3機種の役割はかなりはっきり分かれています。
買い替えを迷っている人は、まず自分が「ローカル音源派」なのか「ストリーミング派」なのかを振り返ってみてください。ストリーミングで聴く時間が長いなら、今回の新モデルは前の世代より使い勝手の面で得るものが多いはずです。ローカル再生が中心なら、試聴して音の差に納得できたときに考える、くらいの温度感でいいと思います。
僕ならZX900とAM3を聴き比べる
高校生のころ、ウォークマンのAシリーズでポータブルオーディオにハマった僕としては、ウォークマンの新しいハイエンドが出ること自体はうれしいニュースです。ただ、正直なところ、価格を見たときは「ずいぶん遠くに行ったな」とも感じました。ZXシリーズが20万円を超えるとは、数年前には思っていませんでした。
普段はHiby R6 IIIを持ち歩いている僕の使い方だと、670gのWM1ZM3は家でじっくり聴く用途になりそうで、今回の候補からは外れます。気になっているのはZX900とWM1AM3で、発売されたらこの2機種を同じイヤホンで聴き比べてみたいと思っています。とくにZX900が、AV Watchの評価どおりWM1AM2に近い音を出すのかは、自分の耳で確かめたいところです。もし聴く機会があれば、この記事にも追記するつもりです。
今回の新モデルは高くなったぶん、中身もしっかり上の世代に入れ替わっています。手放しでおすすめできる価格ではありませんが、「高いだけ」と切り捨てるのも違う。いまはそんな受け止め方をしています。DAPは音の好みも重さの感じ方も人それぞれなので、気になった機種は実際に手に取ってみるのが一番です。試聴してから選びたい方や、旧モデルの中古も含めて比べたい方は、e☆イヤホンをのぞいてみてください。


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